人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
介護や福祉の仕事は、多くの人が長期間続けることが難しいと考えています。
そして、介護・福祉業界から去っていく方がいます。
非常にもったいないです。
介護・福祉業界では、長期間の経験がキャリアの基盤を築き、給与や待遇の向上につながることができます。
これは、介護や福祉の資格が経験年数に応じて取得できるため、介護福祉士などの国家資格を持っていると、キャリア構築が早まる要因となります。
ただし、仕事は単なる労働だけでなく、自己成長とともに経済的な安定をもたらすものです。
「ひとつの会社(職場)で長く働くこと」で給与や待遇がどのように向上するかを理解することは重要です。
キャリアを築く道を選ぶことで初めの不安も解消され、安定感とやりがいに満ちた生涯の仕事につながります。
ぜひ、介護職・福祉職での経験を通じて、自身のキャリアを築いていってください。
今回は「キャリアを築く:介護・福祉の仕事で長く働くメリット」をテーマにお伝えします。
・介護や福祉の仕事は、給料が低く長く勤められないと考えている方へ
- キャリアを築くために介護・福祉の仕事で長く働くメリット
- 介護・福祉の仕事で長く働く:前提条件
- キャリアを築く:職場内権力を上げる
- まとめ:キャリアを築く:介護・福祉の仕事で長く働くメリット
・長く勤めることができる「前提条件」がないのであれば転職が先ですよ。
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キャリアを築くために介護・福祉の仕事で長く働くメリット
初めて介護の仕事に就くと、最初は給与が低いことがよくあります。
しかし、経験を積んでスキルを向上させることで、徐々に給与・待遇も上昇していきます。
資格を取得すると、より高度な仕事に携わり、これが給与の向上につながることもあります。
介護職・福祉職では、単に職歴を積むだけでなく、個人としても成長できます。
利用者とのコミュニケーションを通じて人間関係が深まり、仕事へのやりがいも増していくでしょう。
この職種では、専門的なスキルだけでなく、人間性も非常に重要です。
また、キャリアを築く過程で得られるスキルや経験は将来の職場でのポジショニングにも影響を与えます。
同じ職場で長く働くことで信頼され、リーダーシップを発揮できるようになります。
この信頼関係が、給与や待遇の向上に繋がります。
介護や福祉の仕事は、ただ働くだけでなく、自己成長し、人の役に立つことで充実感を得られる職業です。
給与や労働環境の改善方法として、同じ職場で長く働くことが挙げられます。
これは単純ながらも最も確かな方法です。
同じ職場で長く勤続することができれば、給料が上がる可能性が高まります。
介護・福祉業界の給与が平均して低いのは、継続して働く人が少ないことにも起因しています。
給料が低いだけでなく、同じ職場での長期勤続が難しいという問題を考えることも大切です。
つまり、給料が低いだけでなく、同じ職場で長く働くことが難しいことがあるので、長期勤続できる職場を見つけることが先にあります。
介護・福祉の仕事で長く働く:前提条件
長く働いていくための前提条件が「その職場」に必要になってきます。
この前提条件がないのであれば勤続する事が難しいと判断してもいいです。
もしくは「長い間働いても、給与はそれほど上がらない」と思ってもらっても構いません。
最低限今から述べる3つは確認したほうがよろしいかと思います。
1.長く働く前提条件:ワーク・ライフ・バランスを優先
働き方改革が進められ、多くの職場がワーク・ライフ・バランスを積極的に改善していこうと取り組みを行っています。
介護や福祉業界も同じような動きはあります。
その反面、全くワークライフバランスが守られていない介護・福祉の職場もあります。
若い世代の人材は、仕事だけではなく、生活も考えていかなければなりません。
人生のイベントもあります。
そのため「休みが全く取れない」「残業が多い」「健康を損ねるような働き方を求められる」などワーク・ライフ・バランスを考えていない職場は長く勤めることは難しいと思います。
「職員に長く働いてもらいたい」という考えがその職場にないからです。
2.長く働く前提条件:キャリアパスの視点
その職場がキャリアパスを導入している場合、職務に必要な能力や昇進に関連する要件が明示されていることがあります。
これらの情報を確認することが重要ですが、ただし形だけのものもあるかもしれません。
可能であれば、人事担当者に直接キャリアパスについての詳細な説明を受けると良いでしょう。
介護・福祉の職場では人材不足が多い現状があります。
中にはまだ能力が十分育成されていないまま、新しい役職に就かせる場合もあります。
新しい役職者に対する教育が十分であれば良いのですが、役職に適していないことが原因で役職者や職場全体が疲弊することもあります。
こうした場合、キャリアパスが機能していない可能性が考えられます。
そのため、職場が従業員の能力や適性に合わせたキャリアパスを提供しているかを検討することが前提条件に重要です。
3.長く働く前提条件:職員への教育研修体制
なぜ職場が積極的に「職員の教育体制」に取り組んでいることが良いかというと、人を育てようとする職場は、従業員に「長期間働いてもらおう」という意向があるからです。
通常、教育体制が整った職場は、その法人の理念や方針が浸透しており、職場環境が良い印象があります。
人材を育てるためには、時間とコストがかかります。
人材不足の職場は基本的に即戦力を求めることが一般的ですが、長期的な視点で働く環境を整えるためには、従業員のスキルや能力を育てることが不可欠です。
結局、「長く働ける職場は、教育体制が整っている」と言えるのです。
4.長く働く前提条件:長く働くことができない理由を知る
先に述べた以外にも長く働くことが難しい要因があります。
意外に多い「長く働くことができない」理由:指示系統
指示系統がはっきりしないことは、組織全体に負荷を与えてしまいます。
リーダーの力が弱いと、傾向として一般職員の力が強くなってしまいます。
リーダーがマネジメントできないと、指示系統が常に混乱している状態でまとまりがなくなってしまいます。
イメージとしては「学級崩壊をしているクラスと同じように、先生(上司)がクラス(職場)をコントロールできない」状況になっていると。イメージすると良いかもしれません。
意外に多い「長く働くことができない」理由:メンタルサポートの不備
「教育研修体制が構築できていない」こと似ていますが、介護・福祉業界は「燃え尽き症候群」を起きやすい業界であることが知られています。
つまり「ストレスをかかりやすく」なおかつ「その発散も難しい」業界であるといえます。
そのため「人材に長く勤めてほしい」と考えている職場は、メンタルのサポートを多く取り入れています。
それがない職場は「メンタル的な不調を起こした場合は退職せざるを得ない」ことになります。
意外に多い「長く働くことができない」理由:人間関係の乱れ
コミュニケーションをとる時間がないとも実態としてあります。
ですので人間関係のすれ違いなどは必然的に起きていることが多いです。
意外に多い「長く働くことができない」理由:現場の疲弊
介護・福祉業界の強みとして「需要が非常に高く、経営収入も安定している」ことがあります。
しかしながら、利用者の抱える問題が困難ケースであったり、非常に少ない職員人数で多くの利用者を対応することが続いてしまうと、現場の疲労は常態化してしまう可能性があります。
意外に多い「長く働くことができない」理由:ネガティブ意識の蔓延
現場の疲弊が長く続いてしまうと、その次に起こることが「ネガティブな思考の蔓延」です。
ネガティブな思考がどんどん増えてしまうと、その考え方が周りの職員にも浸透していきます。
そのため歯止めがかからない場合は、組織が崩壊する事態になります。
5.長く働く前提条件:能力開発
長く働くことに妨げになる要因は数多くあります。
それに対する対策として、最も有効なものが「自分の能力開発」です。
能力開発をすることによって、自分自身がその職場での影響力を高めるためにも、能力開発は行なって行った方がよろしいかと思います。
長く働くための能力開発:リーダシップを身につける
リーダーシップは教えられて身につけられるものではありません。
なぜならば、リーダーシップは教科書を真似するものではなく、自分で考えながら行っていかないと身に付かないからです。
また自信の性格によってリーダーシップのタイプも変わってきます。
実践の中で磨いていくものです。
「リーダーシップを身につけよう!」とやる気があって、それの実践までができる人でないと難しいと思います。
「やらされている」という考え方で役職者になれば「ツラい」だけです。
長く働くための能力開発:経営感覚を身につける
介護・福祉業界で長く働いてきた人たちは、経営感覚があまりないことが多いです。
これは医療業界で働いてきた人材にも同じこと言えます。
専門として勉強してきた人材は、経営感覚を学ぶ機会というのは少なかったと思います。
そのため業界で働いてきた人材のほうが、経営感覚を持って活躍できることはあります。
経営感覚を身につけるために「ビジネス書や自己啓発本」などから学習はされた方がよろしいかと思います。
無駄になることはありません。
長く働くための能力開発:資格を取得する
資格を取得することは、自分の能力を上げることはもちろんですが、周りに一目置いてもらうためのものでもあります。
極端な話をいえば、未経験だからといって当たりが強い先輩職員がいたとします。
「その先輩職員よりも上位の資格を取得したら、その先輩職員が急に態度を変えてきた」ということもあり得るでしょう。
資格取得は「自己の能力を上げる」ことを指すことが多いです。
しかし「周りから一目置いてもらう」という動機で資格取得をしても当然良いです。
キャリアを築く:職場内権力を上げる
人間関係にストレスを感じてしまう人は、その職場での立場が弱いということも一因としてあると思います。
長く勤めることに関しては、その人間関係も改善に向かうと考えてもよろしいかと思います。
職場内権力を上げる:長く勤めることで発言力があがる
長く勤めることによって、その職場での発言力は当然のように増していきます。
なぜならば、その職場での仕事のノウハウを蓄積していくことができるためです。
長く勤めることは、それだけ「いなくなったら困る人材になれる確率が上がる」ということです。
そのため「人間関係で苦しむことが改善できる」というわけです。
長く勤務するためには、そういった苦しい時期も乗り越えなければなりません。
「味方をつけよう!」と思って周りと接する必要は全くありません。
「周りの職員に無理やり合わせる必要はない」のです。
下手に出て作ってきた人間関係は自分自身に良い影響は与えません。
「愚直に仕事と向き合っていく」ことによって実績がどんどん蓄積されていけば、自ずと味方は増えていきます。
職場内権力を上げる:感情より論理で動く
感情を優先して働いてしまうと、自分自身に経験値もノウハウもたまらないことになります。
つまり「感情のままに働いていく」ことは、その都度判断が感情によって違うということになります。
それでは、仕事に芯をつくることはできません。
周りから理解されないのです。
「論理で動くこと」を習慣付けていきましょう。
リーダーシップを考えていくと「何が大事なのか?」「何を優先していくのか?」判断を常に求められます。
論理的な思考でないと対応が難しい部分もあると思います。
ですので、感情より「論理で動く」習慣があるほうが、長く勤める素地を作りやすいと言えます。
まとめ:キャリアを築く:介護・福祉の仕事で長く働くメリット
介護・福祉の待遇があまり良くないことで、苦しんでおられる方も多いかもしれません。
繰り返しになりますが、前提条件が全くない職場にお勤めの方はすぐに転職することを強くお勧めします。
「頑張って長く勤めていけばいずれ給与は上がる」ことは残念ながら期待できません。
長く勤めることによって、給与向上が期待できる職場は「人材に長く勤めてもらおう!」と努力しています。
「人材を育てることは、時間も費用も組織はかけている」ことを理解すると、即戦力を求めている職場は、給与が上がりにくいと考えて良いです。
長く勤めることを前提に、色々な取り組みをしている職場に転職をしましょう。
給与・待遇があまり良くないことによって「働きながら別の副業をする方」もおられると思いますが、トラブルに遭わないように十分お気を付けください。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
ご参考になれば幸いです