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介護士の給料が上がらない:ブラックな介護施設の特徴【5選】

介護職で頑張っているのに給料が上がらない?それはブラックな介護施設かもしれません。

人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)

勤めている職場が「ブラックな職場なのか?」は、採用後に働いてみて初めてわかることもあります。

すごく人間関係が良くて、楽しい職場なんだけども「給与に関しては相場よりも低い」そして、給与のことに関しては交渉をするが難しい。

このようなケースもあると思います。

(給与交渉に関して関連した記事はこちら>>)

 

一見はホワイトな職場のように感じられるかもしれませんが、実際の給与は一般的な相場よりも低い傾向があります。

また、人事評価制度を実施していない雰囲気が感じられれば、ブラックな側面も考えられます。

ただし、「経営が安定していないため、給与の引き上げが難しい」といった組織的な事情が存在する場合もあり、これは組織的な課題になりますので、こうした状況は、一概にブラックな職場とは異なります。

ブラックな職場は通常、「給与が上がらない」ことに経営層はなんとも思っていない状況が多く典型的な特徴となっています。

今回は「介護士の給料が上がらない:ブラックな介護施設の特徴」をテーマにお伝えします。

こんな方にオススメ♪

・介護職(福祉職)をしていて、給与があがる職場なのかを知りたい方へ

・介護職(福祉職)を長年しているけど、給与が上がってない方へ

・給与に不満があり退職・転職を考えている方へ

 

結論

・変化を起こそうとしない経営方針は「危険」です。

\ あなたにとって理想の職場/

介護士の給料が上がらない:ブラックな介護施設の特徴

「給与が上がらない職場」の典型的な共通事項は、「福祉サービスを提供する」本来の仕事を「置き去り」にして、「利益を上げることに集中しすぎている」ことが共通事項としてあります。

基本的に医療業界とも共通することではありますが、事業収入を上げようとするのであれば、患者や利用者を効率的に診療及び介護等をしていくことになります。

しかし、それをあまり強くやりすぎると「低品質なサービスを提供する」ことになります。

病院の診療でもドクターがしっかり丁寧に診察をして、初めてわかる病気もあります。

「効率的に回さなければ」という思いが強すぎて、雑な診察をすれば病気に気づかず評判も悪くなる一方です。

誤診や医療事故につながっていくわけです。

介護・福祉の仕事も同じことが言えます。

介護福祉業界では報酬制度の課題もあります。
介護職の給料が向上しづらい原因は、確かに報酬制度の要素も一因です。

しかし、この問題に対処するためには、どのような経営方針を採るかを考慮する必要があります。

言い換えれば、経営的に持続可能な方法を模索し、質の高いサービスを提供し、優秀な人材を確保することが基本です。

その上で、しっかりと給与を向上させるメカニズムを構築することは、会社組織や職場の重要な要素です。

しかし、これを怠ると、ブラックな職場になる可能性があります。

 

雑な仕事をすれば、経営の持続できないのです。


そして末期になってくると「利用者の評判も悪く、職員もすぐに退職し慢性的に人材不足である」という悪循環に陥ってしまいます。

1.ブラックな介護施設の特徴:人件費をコストと捉えている

介護・福祉施設は、事業形態によりますが、総収入に占める給与費の割合が平均して60%~80%の事業所が多いと言われています。
令和2年度介護事業経営実態調査結果

高齢福祉分野だけでなく、障がい福祉分野・児童福祉分野もおおよそこの比率であると考えて良いと思います。

医療・福祉業界では、一番大きな支出項目が給与費(以下「人件費」と述べます)になります。

これが「一般的な営利企業との違い」になります。

営利企業であれば、売上をどんどん重ねていけば総収入が増えることになります。

よって、業界によっては人件費が総収入の割合で20%以下というところもあるでしょう。

医療・福祉業界のように「ある程度総収入の上限が決まっている」ところは、人件費が経営を圧迫することもあります。

そのため「人件費を抑える思考が強い経営者もしくは組織の雰囲気がある」のであれば給与は上がらないと考えてよろしいかと思います。

もちろん人件費が上がることをコントロールすることは大事です。

しかし「抑制しよう」とすると明らかに人材が足りていないのに補充をしないという考え方になってしまいます。

これは長期的には経営を衰退させる思考になります。

あくまでも人件費をコントロールすることは、多すぎるところから少なすぎるところに配分を回したり、細かくコントロールしていく必要があります。

2.ブラックな介護施設の特徴:支出をコントロールしていない

支出をコントロールすることをしていない事業所は、給与は上がることが難しいと思います。

先にも述べたように人件費が一番大きな支出項目です。

つまり人件費を抑えようとする考え方は、職員に冷遇を強いることになるので、通常まともな事業所は人件費ではなく事業費・事務費を削減しようとします。

例えば、光熱費を削減したり、必要備品を購入する際になるべく安価なものを仕入れようとしたりします。

このような「少しずつの経費削減努力」をして行き事業を運営します。

その支出コントロールをしようとしない職場は、人件費が大きい支出項目だからといって「人件費削減」に着目する傾向があります。

そちらの方にアプローチする方が「手っ取り早い」からです。

ですので「支出をコントロールしようとしない職場は、給与が上がる可能性は少ない」と言えます。

人を大事にする職場は、一般的に人件費の削減を最終手段と見なしていると感じられます。

そのため、まずは事業に不可欠な経費をどれだけ抑えるか、またはどれだけ効率的に使うかを考えることが優先されることが多いです。

こうしたアプローチが比較的高い給与を提供できる要因となっています。

3.ブラックな介護施設の特徴:設備投資をしないの考え方

事前に述べた通り、事務費や事業費の削減といった地道な取り組みがまともな職場の特徴ですが、設備投資の視点も欠かせません。

たとえば、生産性向上を目指すなら機械化が考えられます。

特に障害福祉分野では、就労継続支援A型・B型が「生産活動による収益事業」を行うため、生産力向上のアプローチが不可欠です。

設備投資は大きなコストがかかりますが、長期的には利益をもたらす可能性があります。

そのため、「設備投資を控える事業所は、経営改善にあまり積極的ではない」と言えます。

一方で、無謀な設備投資を行う事業所も存在します。

こうした場合、職員の合意形成が重要です。

ただし、ワンマンな経営者や役職者が無謀な設備投資を繰り返し、成功が見込めない場合は、給与の向上が難しいと言えます。

4.ブラックな介護施設の特徴:家族経営の悪い部分が表面化している

介護・福祉の職場は、家族経営は良くも悪くもあります。

一般的に「家族経営」の職場はイメージが悪いような印象もあります。

介護・福祉の職場は「家族経営」の職場は意外に多いです。

家族経営が悪いばかりではなく、もちろん良い面もあります。

家族経営の良い面は「経営層や役職者がバラバラの考え方で働くことが比較的少ない」と言えます。

つまり「派閥的な勢力争いが職場内で起こることが少ない」と言えます。

家族経営の悪い面は「役職者の競争力が働かない」ということがあり得ます。

家族経営があまりにも強すぎると「優秀な職員=取り入ることが上手い職員」となることは多くなる傾向があります。


そうなると「人事評価が、その人材の仕事の実力ではない」ことになる可能性があります。


介護や福祉の業界で、長年事業展開している職場ほど「家族経営が強い」ところがあります。

また、他の職員の意見を聞きにくい職場風土になることがあります。

良い面もたくさんありますが、悪い面もありますので、悪い面が表面化しているのであれば、給与待遇が「仕事の実力」では上がりにくいと言えます。

5.ブラックな介護施設の特徴:労働環境に無頓着

良い職場とは、基本的には「現場で働く人々が良いと評価できる職場」です。

そのためには、経営者や上司は労働環境にアプローチする必要があります。

経営層が「良い職場だ」と言っても、それが一般職員にとって実感されなければ意味がありません。
従って、「良い職場かどうか」という評価は、一般の職員からの意見を聞くことが欠かせません。

これを怠ると、「役職者が快適だから良い職場だと勘違いしている」ような職場が生まれることもあります。

このような状況では、「昇進によって給与を上げること」は可能かもしれませんが、基本的に労働環境を改善しようとしない事業所は、一般職員の給与を上げることにはあまり積極的ではないでしょう。

まとめ:介護士の給料が上がらない:ブラックな介護施設の特徴【5選】

今回紹介した5つのポイント

  • 人件費をコストと捉えている職場
  • 支出をコントロールしていない職場
  • 設備投資をしない職場
  • 家族経営の悪い部分が表面化している
  • 労働環境に無頓着な職場

上記のうち1つでも当てはまると、残念ながら「給与が上がりにくい」と考えて良いです。

複数となると、さらに「給与が上がらない可能性が高い」と考えてよいかと思います。

介護・福祉の職場で「給料を上げよう」とすることに関して言えば、基本的には「その職場で長く勤める」ことがベストな選択だと思います。

しかしながら、長く勤めることが難しい職場が多いのが事実です。

このブログ内で「職場選びの重要性」や「選び方のポイント」をことをお伝えしています。

現職が「長く勤めることが難しい職場」であると、判断できれば転職の準備をした方がよろしいかと思います。

そして「その転職先で長く勤めそうだ」と判断できれば「転職が成功した!」と言えます。

そのとき「介護・福祉の仕事が楽しい!」と感じることができるはずです。

\最後まで読んでくれてありがとう♪/

参考になれば幸いです。

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