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介護職の退職金:職場によっては「少ない・ない」の2つです

介護職の退職金はある?職場によっては「少ない・ない」の2つですよ。

人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)

「もう仕事を辞めようかな…でも、退職金って具体的にどれぐらいもらえるのかしら?」
「介護・福祉業界の仕事に惹かれる一方で、退職金が不透明で不安です!」

こんな疑問を抱えていませんか?

 

「介護や福祉の仕事に真剣に取り組みたい!」と思っている方でも、思わぬ事態で仕事を辞めざるを得ないことがあります。
そんなとき、退職金があれば少しは安心できるのではないでしょうか?

それでは、この疑問にお答えしましょう。


実は、「介護・福祉業界」の法人は、他の産業に比べて「退職金制度」をしっかり整備している場合が多いです。

 

具体的なところで言うと、介護・福祉業界の退職金相場はシンプルです。
長く働いた方が当然、より多くの退職金を受け取れる傾向があります。
業界全体としても、他の産業に比べて十分な水準であると言えます。

 

ただし、注意が必要なのは、すべての職場で同じとは限らないということです。
実際、退職金が多い場合、その分給与が低いこともあります。
退職金の制度は職場によって異なり、一概に「安い」「少ない」「ない」とまとめることはできません。

 

したがって、退職金制度について話すときは、業界全体の傾向ではなく、職場ごとの個別の事情も考慮する必要があります。
転職を検討する際には、特に退職金に注目するなら、新しい職場を選ぶ際に慎重に検討することが重要です。

今回は「介護職・福祉職の退職金」の実態をテーマにお伝えします。

※退職金制度=退職一時金制度として進めていきます。

こんな方にオススメ♪

・介護職(福祉職)を退職を考えている方へ
・転職条件に「退職金の有無」を求めている方へ

 

結論

・「安い・少ない・ない」の職場は結果的に「短い勤務年数で退職したほうが良い」です。

\ あなたにとって理想の職場/

介護・福祉職の退職金の実態

退職金制度には、大きく分けて退職一時金制度と退職年金制度があります。

基本的に、退職時にもらえるのが退職一時金です。

一方で、退職年金制度は毎月掛け金を支払って運用し、60歳になると年金として支給される退職金となります。

今回テーマとして扱う退職金制度は退職一時金です。

少し古いデータですが、介護・福祉業界の退職金導入の実績割合は前産業と比べても非常に高い傾向があります。

全産業平均  80.5%

医療・福祉  87.3%

出典:平成30年就労条件総合調査 結果の概況(厚生労働省)

ハローワークなどの求人情報を見ると、『退職金あり』という表記がないことがよくあります。

別にこれは、法的には書く必要がないからです。
ただし、求人情報に退職金が載っていなくても、実際には退職金制度を導入している職場が多いんです。

一般企業よりは経験的にも多いですよ♪

では、なぜ求人情報に退職金が載っていないのかというと、それを書くと退職金目当ての応募が増え、採用につながりにくいと考える職場もあるからです。

もちろん、退職金があるかどうかを基準にして応募することは問題ありませんが、雇用者としては『できれば長く働いてほしい』という期待があります。

 

そのため、『退職金目当てで応募し、規定の年数が経てば辞める』といった考えの人材は、雇用者としては好ましくないと感じることがあります。

まるで採用前から退職を考えているかのような憶測になります。
ただし、逆に、退職金制度があることで福祉厚生もしっかり整っているとアピールすることができると考えて記載する職場も存在します。

具体的にその職場が退職金を導入しているかどうかは、求人情報だけではわかりません。

介護・福祉職の退職金の実態:職場による「少ない」

「少ない」と考えると、基本的には退職金制度が存在することを意味します。
ただし、その退職金の額はあまり多くないということです。

基本的に、勤務年数が増えると退職金も増えるとシンプルに考えてよいのですが、実際には例えば、「10年以上勤めても、思ったほど多くない」と感じることもありえます。

 

なぜこうなるのかというと、多くの場合、「退職金制度」を独自で職場が積み立てていると思われます。

この点は、介護・福祉業界が比較的給与が低いと言われる中で「月額給与を少しでも高くしよう」とする職場の配慮が見受けられると考えていいと思います。


肌感覚にはなりますが、おそらく退職金制度を導入している職場は、ほとんどこの形態ではないかなと思っています。

そのため、実際に退職する際には、退職金の額がそれほど多くないという場合もあります。


このような職場では就業規則に退職金の明記がないこともあります。
これは、職場が自主的に退職金を積み立てている状況があるためです。


経営状況が悪化した場合、就業規則に明記されていないと退職金の支払いを回避できる可能性が生じるからです。


つまり、経営悪化したら退職金を払わなくていいってことです。


もし就業規則に明記されていれば、退職する際には退職金の支給が義務づけられます。
ですので、就業規則に書かれていない場合、退職金が支給されるのは難しい状況となります。

したがって、そのような退職金制度が整っていることが周知されていないこともあるのです。

介護・福祉職の退職金の実態:職場による「ない」

「退職金制度が基本的に存在しない」ことになります。
実際、厚生労働省のデータからも、退職金がない職場は「少ない」という傾向がわかりますが、実際には退職金制度がない職場も存在します。

 

先ほどの『退職金が少ない』ということを考えると、経営状態が悪化している場合、退職金を支払える余力がない可能性があります。
つまり、介護・福祉業界で退職金がない職場の状況は、すでに経営状況が悪化している可能性が高いと言えます。

 

もちろん、経営状況が回復すると再び退職金を支払える可能性もありますが、経営悪化の状態で、積み立ててきた退職金が補正予算として使われてしまっている可能性もあります。

そのため、財務が回復してもしばらくは退職金制度がないということも考えられます。

(退職しても一時金は支払われません)

介護・福祉職の退職金の実態:職場によっては「高い」ところはある?

もちろん、存在します。
退職金制度を運用するために共済にかかっている職場は、比較的高い退職金が期待でき
ます。

特に、勤務年数を考慮することで、長年勤務を続けると退職金が高くなる傾向があります。

ただし、ここで注意が必要です。


基本給と勤務年数を計算するタイプの共済もありますので、基本給が少ない状態で長年働いても、退職金自体が少ない可能性があります。

退職金が高いか安いかは個人の判断に依存しますが、基本給がもらえ、かつ勤務年数が長い場合に退職金が高くなる傾向があります。

 

この共済制度には多くの社会福祉法人や社会福祉サービスを提供する企業が参加しています。
そのため、掛け金を支払っていることになりますが、個人の給与から天引きされることはありません。

ただし、費用を捻出するために人件費を抑えることがあり、基本給が低くなりがちです。

 

基本給が高くて退職金も高くもらえる場所はあるかと問われると慎重に探さなければなりませんが、存在します。

経営状態が安定し、人件費などがしっかりとコントロールできている場所は、共済での退職金制度を完備しながら、基本給もしっかりと保証している職場はあります。

退職金制度の存在を確認する方法

退職金制度の有無を確認する方法はいくつかありますが、どれも完璧に確定的なものではありません。
以下がよく言われる方法ですが、注意が必要です。

  1. 給与から天引きされているかどうか:この方法は基本的に退職年金制度を指します。つまり、給与から天引きされていた場合、退職金の制度があることが確定できますが、退職一時金には当てはまりません。

  2. 人事担当者に聞く:人事担当者に直接尋ねるのが最も確実な方法ですが、これを行うとすぐに辞めるつもりだと思われる可能性があります。注意が必要です。

  3. 就業規則に載っているかどうか:就業規則を確認することは可能ですが、具体的に退職金制度が明記されているかどうかは経営方針によります。また、悪化した経営状況では支払い義務がない可能性があります。

  4. 求人票に載っているかどうか:求人票に明記されている場合、基本的には加入していると考えられますが、経営状況が悪い場合には支払わないこともあるため、注意が必要です。

  5. 退職した職員に聞く:過去の職員に尋ねることも有益ですが、その人がいた時期によって情報が変わる可能性があるため、注意が必要です。

つまり、どれも確定できるような手段がないので「推測」になるでしょう。
実際のところ100%確実に「退職金制度の有無を確認できる方法」は、その職場の担当者が情報開示しない限りわからないと思います。

一部の情報では、「採用面接で退職金について尋ねることもある」と言われていますが、個人的にはそのアプローチは避けるべきだと考えます。

実際の経験から言えることは、「退職金の有無を採用面接で質問する人は、長期的な雇用を考えていない可能性が高い」です。

その結果、採用担当者は「すぐに辞める可能性がある」といった印象を受けてしまうことがあります。

それについては、別の記事で紹介しているので併せてご参考いただければと思います。

今回のテーマには下記の記事もオススメです♪

退職金制度が存在している職場は「いい職場」か?

結論的には退職金にこだわらず強い退職の決意があるのであれば、すぐにでも転職準備をした方が間違いなくメリットがあります。

退職金の有無にこだわるよりも、自分のキャリアや働き方に合った職場を選ぶことが大切です。


退職金は確かに一つの要素ではありますが、それが「いい職場」であるわけではありません。

状況によっては「いい職場」どころか「悪い職場」なこともありえます。


例えば、共済に加入している職場なら退職金が見えやすく、公表されていることも多いでしょう。

しかし、経営状況が悪化した場合や、掛け金が給与から天引きされている影響で給与が抑えられている場合もあるかもしれません。

 

退職金があるからと言っても、基本給の良し悪しや昇給幅の制限など、他の給与面に影響が出ていることもありえます。

それに、退職金があるからと言って、その職場が自分に合っているかどうかは別の視点で考えるべきです。

 

結局のところ、自分がその職場に適しているかどうか、将来的なキャリアプランに合致しているかどうかが大事です。

もし合わないと感じたら、早めに転職を検討することも一つの選択です。
短期退職が悪いわけではなく、むしろ次の転職で成功し、長期的に働くことができれば十分です。

最終的には、職場選びの方法がカギとなります。

まとめ:介護職の退職金:職場によっては「少ない・ない」の2つです

退職金制度はあっても、支給される金額には様々な「差」があり、その支給額も含めるとなかなか掴みにくい部分があります。

職場が退職金制度を導入しているからといって、必ずしも良い職場とは限りません。

ただし、長期的に活躍してほしいという意図は感じられます。

 

給与や待遇については、働く側にとっては非常に重要なポイントでしょう。

退職金制度の有無だけで「この職場が働く価値があるか」を判断することは難しいです。

むしろ、「働きやすく」かつ「給与や待遇」など、自分の希望に合った条件で働ける職場を見つけることが重要です。

ただし、これを自分で見つけることが無茶苦茶難しいです。

\最後まで読んでくれてありがとう♪/

参考になれば幸いです。

他にも求人票には、様々な手当や福祉厚生が記入されている事もあります。

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