持病を抱えている場合、採用面接でどのように対応すべきかは、多くの人にとって悩ましい問題です。
特に高齢の場合で転職活動となると、持病を抱えて働き求職活動ということも多いでしょうから、その不安から持病を大したものではないと考えて、転職活動をしてしまうこともあるかもしれません。
逆に持病を隠してしまうと、想像以上に、大きなトラブルに発展することもあります。
そこで、今回は「持病を抱えた方が採用面接で不利にならず、自己アピールするための方法」についてお伝えします。
・表向きには持病が採用の合否理由になることはありません。
・持病に配慮できない事業所は「ブラック=待遇が悪い」と考えてよいです。
・持病とどう付き合って強みに変えているかをPRしましょう。
持病がある方の求職活動の実際について
一般的に、持病があることが採用にデメリットとなることはありません。
デメリットになると考えて、採用面接で「あえて隠している」方もいらっしゃるかと思いますが、基本的に不要です。
法律上、採用において候補者の身体的状況(病気や健康上)を理由に不採用とすることは禁止されています。
また、多様性と包括性を重視する現代のビジネス環境においては、候補者が様々な背景や経験を持っていることが重要視されます。
つまり健康上という誰しもが「生活上であり得る」ことに関しては、排他的な思考を持ってはいけないのです。
採用は、「平等な機会」を設けなければなりません。
採用の合否は、事業所側による事になりますが、あくまでも「能力や資質」によることで決められるべきなのです。
持病が業務に支障をきたす可能性がある場合、企業側が職場での調整やサポートを行う必要があることがあります。
そのため、持病があることを面接時に正直に伝えることで、今後の職場での調整やサポートについて話し合うことができる場合があります。
また、業務に支障をきたす可能性がある場合でも、企業が合理的な調整や補償を提供することで、持病がある候補者に平等な機会を与えることができます。
つまり、デメリットとして捉えなくて良いのですが、そうはいっても「気になる」「悩む」所であろうと思います。
そのため、持病がある場合は、持病を強みとしてPRできるようにしましょう。
採用面接で持病があるときの答え方のポイント
採用面接で持病があるときには、以下のような対応が考えられます。
最も重要なのは、正直に自分の状況を伝え、職場での調整やサポートについて話し合うことです。
それによって、職場での円滑な業務遂行や、安心して働ける環境づくりにつながります。
ポイント1:正直に伝える
面接官に持病のことを正直に伝えることがまず必要です。
持病があることを伝えることで、今後の職場での調整やサポートについて話し合うことができる場合があります。
隠して採用後にトラブルになることが特に「まずい」状況になります。
ポイント2:必要に応じて詳しく説明する
面接官が詳しい状況や病歴について尋ねた場合、必要に応じて詳しく説明することができます。
ただし、適切なラインを守り、個人的な情報を過剰に明かすことは避けましょう。
このあたりは難しいところですが、「正直に言わなければいけない」からといって、全部を話す必要はありません。
全部話すことによって、逆にマイナス的な印象を与えることもあります。
ですので、詳しく説明するというよりかは、根拠をしっかりと説明するようにした方がよろしいと思います。
ポイント3:職務に影響がないことを示す
持病があっても、仕事に支障をきたすことがない場合は、その旨を伝えることができます。職務に影響がないことを示すことで、面接官に安心感を与えることができます。
ポイント2でも説明した通り、「なぜ職務に支障がないのか?」を根拠をもって説明するようにしましょう
持病がある場合の履歴書の書き方について
履歴書に持病があることを記載する必要はありませんが、健康状態に関する嘘を書いてしまうことは良くありません。
履歴書に健康状態を書く欄がある場合には、正直に記入しましょう。
ただし、健康状態を問われていない場合には、特に記載する必要はありません。
面接で伝えればよいです。
もし「持病があって」面接で持病のことに触れられる可能性がある場合には、履歴書には持病があることを明記しておくことで、面接時の説明がスムーズになるかもしれません。
また、履歴書には学歴や職歴、資格など、自分自身の能力や経歴に関する情報を記載することが一般的です。
持病が業務に影響を与える可能性がある場合には、その旨を記載しておくことがあります。
口頭での説明と同じように、個人的な詳細情報を記載する必要はありません。
最も重要なのは、履歴書に記載する情報が正確であり、個人情報が保護されていることです。
持病があるときの効果的なPRの方法について
持病がある場合でも、「それを逆手に」自分自身の能力や経験をPRすることができます。
ポイント1:自分の強みに焦点をあてる
持病があることは弱みではありません。
代わりに、その経験から学んだことや、克服するために必要なスキルや精神力を強調することができます。
例えば高血圧というありふれた病気でも、「高血圧と診断され食生活に気を使って、適度に運動して体力の向上に努めている」などのポジティブな変化をPRするようにするとよいでしょう。ただ単に「高血圧があります」と言うだけよりも健康管理をしている人材として評価を受けやすくなります。
持病があることは、自分自身にとってもストレスなことかもしれませんが、その経験から学んだことをポジティブにアピールすることがよいです。
ポイント2:正直でオープンな態度を示す
面接官が持病について質問した場合、正直かつオープンな態度を示しましょう。
自分がどのように持病と向き合っているか、その持病が自分にとってどのような影響を与えているかを説明することが重要です。
例えば、「週に一回病院に行くため休みをもらいたい」のであれば、それを伝えればいいだけです。
病院に行くことによってパフォーマンスを維持できるということが、PRできれば、それに配慮する義務は企業にはあります。
ポイント3:対処方法について話す
持病を持つことによって業務に影響がある場合、それに対処するための方法を話すことが重要です。
例えば、持病の発作が起こった場合にはどうするか、必要な手順や医師との連絡方法などを説明することができます。
基本的に同僚や直属の上司等に「もし業務中に健康上の問題が起きた場合は、かかりつけ医などの連絡先等を教えておく」ことも有効な手段ですし、常時持っている携帯や財布などに「自身の健康情報を救急隊員等に伝えられる」ような工夫をしておけば、さほど問題になることはありませんし、そのことを面接等に伝えれば安心して、人事担当者が採用することも可能になります。
まとめ:持病があっても自己PRできる!面接での効果的なアプローチ方法について
健康上の理由で採用を断る企業がすべて悪い企業であるとは言えません。
企業には、採用する候補者に対する規定や基準があります。
例えば、業務内容によっては健康状態に制限がある場合があり、その場合は応募者の健康状態について確認する必要があります。
ただし、健康上の理由だけで採用を断る企業は、適切な配慮が行われていない場合があります。
健康状態による差別や偏見に基づく採用判断は、不当な差別として法的にも問題がある場合があります。
したがって、企業側は候補者の健康状態について適切な配慮を行い、公正かつ正当な採用判断を行うことが求められます。
介護や福祉の業界は「求職者に健康状態によって制限する業務」はあまりありませんので、基本的には「健康上の理由で、採用されない」ということはないかと思います。
しかしながら、あくまでも利用者の生命などを守ることに、危険があるような健康状態の場合は考慮する必要があります。
例えば送迎員として、求人を出した場合に応募者が「意識を失う可能性がある持病」を抱えている場合は、配慮ができない判断もあるかもしれません。
しかし、それは「送迎員」として配慮ができないだけであって、別の職種を提案することは可能なのです。
それを受けるかどうかは、応募者側に選択権があります。
ですので、健康上の理由は、必ず配慮されるべきなので、デメリットになることはあまりないと考えてよろしいかと思います。
ただし、「配慮してくれる職場」を選ぶべきです。
介護・福祉の業界は常に多くの求人票があります。
その中から「理想の職場」「ホワイトな職場」を見つけることは至難の技です。
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