人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
介護や福祉の職場は、残念ながらイメージが良くない部分もあります。
それは、介護・福祉業界が「慢性的に人手不足である」ことが関係していると思います。
「人手不足」に関しては、「(人材の)量の問題」だけではありません。
同時に「質の問題」もでてきます。
介護職・福祉職は「イメージがあまり良くない」部分に焦点があてられ、将来性がないと考える人もいます。
実際に福祉系大学や短大・専門学校の卒業生は進路を選ぶ際に、全く関係ない「一般企業」を就職先として選ぶ方も少なくはありません。
私は「介護職が不足している今がチャンス」と考えています。
今回は「介護職の将来性:人手不足だからこそ高くなる5つの根拠と理由」をテーマにして、お伝えしたいと思います。
・介護や福祉の仕事に将来性を感じていない方へ
・人手不足の理由に着目すれば、将来性がわかると思います。
\ あなたにとって理想の職場/
介護職の将来性:人手不足だからこそ高くなる4つの根拠と理由
高齢社会は、ますます加速していきます。
いま目前に迫っている問題で、2025年問題があります。
2025年におよそ800万人にいる「団塊の世代」と呼ばれる世代が、後期高齢者となります。
2025年問題とは、超高齢社会となりあらわれる影響をさします。
すでに今現在でも、施設で介護を受けるということですらすでに難しくなって来ています。
介護が必要な方に「介護を提供できない」という状況まで来ています。
他にも高齢者だけではなく、児童福祉分野に関する問題も多くあります。
例えば、貧困家庭の増大による児童の問題です。
障害福祉分野も、似たような問題はあります。
我が国における社会保障・社会福祉の問題は何も高齢者の介護問題ではありません。
問題が山積している現状があります。
ですので、社会的な関心も大きくなってきているように思います。
将来性とは?
業界の将来性は、考え方によって異なります。
最近では、「AIによって仕事がなくなる未来」が予測されることがよく聞かれますが、実際にその兆候が見られるようになってきているようです。
例えば、ますますICT技術の活用が求められる中、その関連会社は将来性があります。
しかし、将来性がある業界だからと言って、それが必ずしも仕事に結びつくかは別の話です。
AIが進化すれば、人手が不要になる状況も予測されます。
実際には、インターネットバンキングの発展により、銀行の窓口業務が減少し、銀行員も減少傾向にあります。
つまり、将来性が高いから必ずしもそこに仕事が生まれるとは考えにくい状況です。
そこで考えるべきなのは、仕事が持続的に存在する業界が将来性があるという視点も必要です。
1.介護職の将来性が高い理由:「介護職を大事にする傾向」が続いている
介護・福祉の仕事のネガティブな面が、社会的に浸透しているからといってそれが全てだと判断しないでください。
確かに2000年代前半あたりから、介護・福祉を取り巻く制度の改正が相次ぎ、介護・福祉業界で働く人たちの待遇が一気に変わっていった状況がありました。
それは全国的に「介護・福祉職離れ」を起こし、人材不足が加速化していきました。
介護や福祉の業界・職場が「国から守られていた状態」から、一気にビジネス化したとイメージされると良いです。
つまり「経営=稼ぐ」という概念が必要になってきました。
詳細は省きますが、「国から守られてきた状態」の介護・福祉の法人・事業所が、突然に「経営」をする事は非常に難しく、一気に厳しくなりました。
介護・福祉の職場の一番大きな支出は人件費です。
手っ取り早く人件費を削ることによって「支出を抑える」傾向が強くなっていたのは事実です。
そのため「給料が安い」という状況を招きました。
そうなってくると「人材がさらに集まらない状況」も招き、負の連鎖が続くわけです。
「少ない人数で運営しなくてはならず」=「休めない」状況も生まれてきました。
そんな「つらかった介護・福祉業界をとりまく事情」も、少しずつ変化がはじまってきています。
特に「人材を大切にする」職場が増えるてきている傾向にあります。
これは、行政主導で少しずつ改善が見えていると評価できますが、もちろん事業所(現場)の努力もあります。
ただし、待遇や職場環境の改善効果が見えてきているのは、真剣な努力をしている事業所だけです。
2.介護職の将来性が高い理由:生存競争が起きている
今は「職場選び」で全て決まると行ってよいです。
過去に介護・福祉業界に関する職場は、規制緩和により今まで伝統的に社会福祉事業を行っていた法人(特に社会福祉法人)以外も、株式会社等が参入する時代になりました。
現在、様々な法人格を持つ事業によって、社会福祉活動が行われています。
そのため競争力を生み出すことには、成功したといえます。
しかし、サービスの質の低下も招きました。
福祉サービスを行う事業者としての「理念や指針あり方」に差があることも事実です。
「福祉サービス利用者」「職員待遇」を二の次にして「利益主義」になっている事業所もあります。
「将来性のある事業所に勤めること」が何よりも重要なのです。
競争が激化することで、優れた職場が残りやすくなっているように感じます。
介護・福祉業界から撤退する施設や事業所は増加し、生き残るための競争が激しくなっていると思います。
さらに、最近では将来性をチャンスに捉えた大手の企業が介護業界に進出する例が増えています。
3.介護職の将来性が高い理由:協働する土壌が業界にできている
仕事ですので「中途半端にしていい」ということでは全くありません。
仕事である以上、快適なサービスの提供に研鑽していく必要があります。
ですが、一生懸命働いていても失敗やミスというものが起きると思います。
介護・福祉の仕事はチームプレイで行うものです。
個人の素養による問題を除くと、個人にだけ責任がある仕事は少ないです。
ですので、単純に個人に責任を求めるより、連帯責任として組織で改善していく事が一般的です。
介護や福祉の職場では、チームで協力しないと仕事が難しいことがよくあります。
このため、人工知能がどれだけ進化しても代替が難しい職業とされています。
介護や福祉の職場で、個人に責任を追及していくような考え方で運営されていれば、まさしくブラックの状況だと思います。
そのような職場は、福祉的な考え方を全く持っていません。
「個人の責任を追及しすぎる雰囲気にある職場」は、通常の介護や福祉の職場ではないと理解しておきましょう。
本来そのような考え方の職場は介護・福祉業界ではあってはいけないのです。
そのため「まともな」職場が増えてきていることは、チャンスといえます。
4.介護職の将来性が高い理由:定年後にも働ける
実際に定年後も介護・福祉の職場で働く方は多いです。
高齢福祉分野では高齢者介護サービスを利用する利用者よりも、高齢の職員が働いていたりします。
そのような高齢の職員が働く理由は、金銭面よりも「自分の生きがいや、健康のために働く」目的の方が多いように思います。
介護や福祉の職場は、体力がいる仕事であるイメージがあるかもしれません。
もう少し詳しく述べると、実際は「現場で直接的なサービスをする時は体力が必要」ということになります。
直接的な業務は離れ、間接的な業務もたくさんあります。
体力がいらない職務もたくさんあるのです。
そのような部門で継続して働くこともあります。
介護・福祉業界で長く働くと、定年後も仕事に困らないことが多いと思います。
5.介護職の将来性が高い理由:常に成長が可能
「働く上で何を求めるか?」によりますが、常に成長を求める方にとっては、介護・福祉の仕事は適しています。
常に自分自身の成長が必要になります。
介護や福祉的な支援のサービスには答えというのがありません。
基本的に常に工夫をしていくことが求められます。
つまりアイデアと創造性によって、仕事をしていくことが必要になってきますので、知識・ノウハウをためていく必要があります。
キャリアパスに取り組む職場も多くなりました。
「長く勤める」ことにより、待遇も大きく変わってきます。
「頑張っても報われない」と悲観することなく、「頑張ったら報われる」ようになってきています。
「人間的成長を常に求める」考え方の方は、成長できる業界でもあります。
しかし、それは「まともな職場だから成長できる」のであって、ブラックな職場では学ぶことはないと思います。
まとめ:介護職の将来性:人手不足だからこそ高くなる5つの根拠と理由
介護職の人たちが不足している今だからこそチャンスです。
今この不足している状態では、厳しい部分もあるのかもしれませんが、少しずつ厳しい状況から抜け出している介護・福祉の職場もあります。
介護や福祉の仕事はかつては厳しい時期もありましたが、最近ではその状況が少しずつ改善されています。
給与などの待遇は、業界の中でも職場によってまだ差があるものの、企業の努力により働きやすい職場が増えてきている印象があります。
業界自体は将来性が高い一方で、競争も激化しているようです。
そのため、将来を見据えるうえで個人が生き残りやすい職場を選ぶことが重要です。
本当に良い職場に勤められると「介護・福祉の仕事が楽しい!」と感じられるはずですよ。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
ご参考になれば幸いです。