介護・福祉業界においての管理者とは、「施設長やその事業所を運営する人材」を指します。
呼び方についてはその職場で違いますが、基本的には「その職場を管理するための代表者」と考えてよろしいかと思います。
厳密には「管理者」と「経営者」は違います。
それについては下記の記事をご参考にお願いします。
管理者の仕事は「マネジメントをする役割」を担います。
そのため現場の管理という仕事もあるのですが、管理者が現場に入りすぎると極めて危険な職場となることが多いです。
今回は「管理者が現場に入りすぎることの危険性」をテーマにお伝えします。
・現職が今回のテーマに合致している方へ
・管理職経験のある方へ
・管理職へステップアップしようと考えている方へ
・管理職待遇の転職をお考えの方へ
・人材不足から現場に介入すると危険!
・現場に介入しすぎると客観的に見えなくなる!
・現場職員の意見を聞けなくなると危険!
・「管理業務」が滞り現場どころではなくなる
管理職が現場に入りすぎる職場が危険な理由とは?
基本的に介護・福祉業界の管理者は、現場上がりが多いかと思います。
つまり一般職員として、介護や福祉支援の経験をした上でキャリアアップとして「管理者」を任されることが多くなります。
そのため管理者は「マネジメントのプロ」ではなく、「現場のプロ」であったわけです。
常に現場を把握しておくことが、結果的に「今この職場がどういう状態であるのか?」把握しやすいことにつながっていきます。
ですので、管理者が現場に介入することが悪いわけではありません。
管理者の仕事はその施設・事業所をすべてに関与していかなければなりません。
そのため、現場のことは「現場職員にある程度任せる」ことが必要になってきます。
現場職員から管理職に出世をする際、その職場で「管理職研修」が開催されているのであれば、教育体制が整っている職場といえます。
また、そのような研修が職場で設立されていなくても、外部研修等に積極的に参加させる職場も教育体制が整っていると判断できます。
「教育に関する投資を職員に行い、人材を育てていく。」
そして事業を発展させていくことが基本です。
そのような教育投資を軽んじているもしくは、その余裕がない職場も介護・福祉業界にはとても多く存在します。
介護・福祉業界の管理者は「マネジメント業務のみを集中するには、難しい環境である」という実態もあります。
人材不足も管理者が現場に介入する理由になる
介護・福祉業界は「慢性的な人手不足」が続いています。
この人手不足から、現場の職員が足りなくなると、どうしても管理者が現場に入るということが日常的になります。
この日常的な「好ましくない状態」が解決されないまま業務が続いていくと、マネジメント業務は滞ります。
つまり「管理者のマネジメント業務が滞る」ことは職場環境が、急速に衰退していく結果を招きます。
管理者は現場のことだけではなく、経営的な管理や人材の管理など、様々なことを行いながらその施設・事業所を管理していく必要があります。
安易に現場に介入していくと、その職場の職員たちの業務習得を阻害してしまうこともあります。
そのため「良かれと思って」管理者自身も現場に入ることは、現場職員からすれば、邪魔になることもありえるのです。
また管理者も現場に入ることが、当たり前のような環境になってしまえば、組織は育ちにくくなります。
現場に管理者が介入すると客観的に見えなくなる
「現場上がりの管理者」に多くなりがちなことが、「自分の思い描いた通りのサービスが、提供されてないと現場職員との軋轢を生みやすい」ことです。
マネジメントが苦手な管理職においては、うまくいかないことに対して「職員の質に問題点」を起きがちです。
つまり、現場での問題点は職員がサービス提供において「質が低いから問題を起こしている」と疑う傾向があります。
職員の質の問題に着目してしまうと「何が原因なのか?」と本質の部分が、客観的に見えなくなります。
そのため管理者はマネジメントのプロである必要もあります。
マネジメントさえしてくれたら、介護・福祉の部分は「素人でもかわない」として、他業界のマネジメント経験をあてにして、管理者に任命する職場も実在しますが、介護・福祉業界は制度のもとに運営されています。
ですので、「法律を遵守し、運営していく」ためにはやはり介護・福祉のプロが管理者であるべきだと思います。
そのため、介護・福祉の考え方にも精通し、マネジメントもできる人材に育てていく職場が健全です。
また、「現場上がりの管理者」も「現場は現場職員に任せる」という考え方にならない限り、現場が育たないのです。
現場職員の意見を聞けなくなると危険!
管理者が現場に介入しすぎることによって、管理者自身の主観的な考え方に偏ってしまうと客観的に見えなくなってきます。
「客観的に見えなくなる」ことは現場職員の意見を聞けなくなることにつながります。
現場職員の困ったことに対して、アドバイスをしていくことが経験者や上司の役目でもあります。
現場職員の意見を聞いて、それについてアドバイスや指示をすることは、教育的な要素も絡んでくるので、組織がどんどん向上していくための仕掛けになります。
「職員の質の問題にする傾向がある管理者」である場合、職員は相談しにくいという状況に陥ります。
そのため相談しにくい状況に陥った場合、組織が崩壊していくことについて全く管理者は気づかないという状態になります。
つまり極めて危険な状態になります。
管理者は「現場職員の困った!」については意見を常に聞く姿勢が重要になります。
「介護や福祉の素人が管理者」になった場合、「自分がわからないから現場の判断に任せる」ことが簡単にできてしまいます。
自分が判断するのは予算などの目に見えることだけで、判断すれば良いので管理者の立場とすれば、素人の方が柔軟に対応できる面もあるとは思います。
ただし、それには「現場に教育もできる現場職員がいる」ことが必要になります。
管理者が現場に介入すると「管理業務」が滞り現場どころではなくなる
介護・福祉業界の管理業務はかなり多いと思います。
特に職員の労務的な問題や、サービス提供においては行政等からの指導監査に対応しなければなりません。
また、人手不足なのであれば「人材募集関係」もしなければなりません。
介護・福祉業界の管理者は「何でも屋になりやすい」ことが、業界の課題としてあると思います。
管理者の業務は、その職場の全職員が「働きやすく、誇りを持って仕事ができる環境を整える」ことが最優先の仕事です。
そのような考えを持ち、実際に業務ができている介護・福祉業界の職場が少ないことが実態としてあります。
まとめ:管理職が現場に入りすぎる職場が危険な理由【介護・福祉】
介護・福祉業界の管理者は、必ずしもセンスがある人材がその立場を担っているわけではありません。
もちろん管理者を経験していくことによって、リーダーシップを発揮していく人材もたくさんいます。
ただし、それは教育があって管理者として業務ができるようになっていきます。
組織が育っていくことについては、何年も時間がかかります。
そのため施設・事業所の管理者も、その職場において比較的長い期間勤務している人材が望ましいのですが、数年しか勤めてなくて管理者になるという実態もあります。
そのため、働き始めて気づくことも多いと思います。
介護・福祉業界においては、管理者の雰囲気で職場が左右されることが多いです。
職員は上司を選ぶことはできません。
そのため転職活動などをする際は、「その職場の管理者がどのような人物なのか?」というのは一つのポイントとなるでしょう。
ただし、求人票などではわからないので、実際に見学して会うしかありません。
管理者がリーダーシップを健全にそして強く発揮している職場は、将来性もあって働きやすい傾向があります。
そのような職場をぜひ見つけるべきです。
介護・福祉の業界は常に多くの求人票があります。
その中から「理想の職場」「ホワイトな職場」を見つけることは至難の技です。
下記のノウハウで「理想の職場」を探すことが、『驚くほど簡単』になります。
上記の記事のノウハウの活用次第では、「どのような上司か?」を知ることも可能かもしれません。
参考になれば幸いです。