人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
「時給が低いから、介護派遣社員として働きたい!」
「職務が制限できるから、派遣社員の方が簡単そう!」
派遣社員で、介護・福祉の仕事をしようとするとメリットが多いように感じられます。
実際に派遣会社を通して就業される方は、介護・福祉業界では多いのです。
実態としては、介護・福祉業界の人手不足がありますが、派遣社員で働くことに対するメリット・デメリットは当然ながらあります。
派遣社員という働き方の選択をする場合は、よく考えて選択するべきだと思います。
今回は「介護・福祉の仕事で、人材派遣として働くメリット・デメリット」をテーマにお伝えします。
・介護・福祉の仕事で派遣社員で働きたい方へ
・派遣社員で働くメリット・デメリットを知りたい方へ
・長く介護・福祉業界に勤めたいなら、派遣社員で働くことはおすすめしません。
\ あなたにとって理想の職場/
メリット・デメリットを理解する前に介護・福祉で働く派遣社員の実態は?
特に「50代以降の方」は、時給の高さからアルバイトやパートとして働くよりも、派遣社員として介護・福祉業界で働く方も多いです。
実態として、介護・福祉業界の人手不足にありますが、介護・福祉業界の「給与支給が低い傾向」にあり、直接雇用されるより「派遣会社を通した方が、時給が高く設定できる」ということがあります。
派遣会社を通して仕事する場合、派遣会社からの介護派遣の社員となりますので、責任を負わされるような仕事に関しては断ることができます。
そのため派遣会社の職員であって、派遣された施設の職員ということにはなりません。ですので、「職務も限定」されます。
この「職務限定」が重要なポイントになります。
派遣会社を通した社員に関しては、時給が直接雇用よりも高く設定する場合が多いのですが、それ以上に「派遣社員に払う金額とあわせて、派遣会社に対するマージン」もありますので、直接雇用をするより施設側の費用は高くつきます。
施設側からみれば、「職務が制限されている上に、直接雇用より人件費がかかることが、介護派遣社員である」と考えても良いです。
ですので、ほぼ全てと言っていいと思いますが、介護の派遣社員を依頼している施設や事業所は「即戦力」を期待しています。
かなり仕事をうまくやっていかないと、正社員並みに人件費がかかっているのに全く仕事を覚えない状況であれば、人間関係のトラブルに発展します。
介護の仕事で派遣として働く場合は、簡単と思わない方がいいです。
むしろ、その上で「職務限定」もあり、かなり精神的に負担の多い状況が待ち受けていると思います。
介護・福祉の仕事で派遣社員で働くメリット
人事担当者を長年勤めてきた経験から言えることは、派遣職員にはデメリットの方が多いといえます。
しかし一方で、少なからずメリットも存在します。
1.多少の経験にはなる
介護・福祉の仕事で派遣社員で働くメリットは、多少は「経験」になることです。
介護派遣として働くと、「色々な職場の経験をすることが可能」になりますので、実務経験を通しながら、理想の職場を求めることが可能になります。
しかしながら、制限された仕事内容が多いので「全てが経験になる」というわけではないことには注意が必要です。
また、職場によりますが、基本的に派遣職員として働いていた「経験」がキャリアと評価をされることは少ないです。
理由は「職務制限」があるためです。
2.給与は資格取得で大幅に上がる
資格を習得して派遣会社に登録して、介護派遣社員として働くことにより派遣会社も時給を高く提示することができます。
そのため結果として「給与の手取りも高くなる傾向」があります。
ですので、まずは介護職員初任者研修修了レベルの資格を習得することをお勧めします。
3.コミュニケーションは最低限でよい
派遣社員で働くと「その職場の人間関係に、深く入っていく必要がない」ことがあります。
これについてメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは人それぞれですが、人間関係の『こじれ』にあまり立ち入りしたくないと考えるのであれば、派遣社員で働くメリットはあります。
派遣社員として働いて、あわよくば「ホワイトな職場」を見つけたいと考えている方にとっては、人間関係がよく見えないまま勤務を続けることになりますので、「選ぶ」ということに関しては、「全てを把握してから働くわけではないこと」は言えると思います。
ただし、通常の職場見学等で判断するよりも「働いている」ので、判断はもちろんしやすいことにはなりますが、職場によっては「派遣社員はスポット的な人材」として割り切っている職場もありますので、最低限のコミュニケーションで勤務を徹底している職場もあります。
つまり「コミュニケーション」をあまり取りたくないことに関して言えば、派遣社員の方がメリットがあると言えます。
しかし、派遣社員として人件費が余計にかかっているので、仕事姿勢によっては余計にひどい人間関係になる可能性もあり、派遣社員だから「人間関係」に巻き込まれないとはいえません。
むしろ、派遣社員のほうが「ひどい」かもしれません。
介護・福祉の仕事で派遣社員で働くデメリット
介護・福祉の仕事で派遣社員として働くデメリットは「将来性」になります。
特に「将来性」が派遣職員は思った以上にひどいと思います。
派遣社員として、一般雇用よりも「比較的高い時給で働く」ことに関してはメリットといえます。
しかし、介護派遣の職員がいる職場は、明らかに人件費としてのコストが高すぎるのです。
ですので、派遣社員の方はアルバイトパート職員よりも、スポット的な対応として考えられることが通常です。
「代わりに人材が見つかった」場合や、事業の効率化によって人がそれほど必要にならなくなった時には、真っ先にリストラ対象になります。
その場合、雇っている職場に関しては「代わりの仕事を提示する」ことが必要になりますが、余程気に入られないと「代わりの仕事を提示する」まで至らないのではと思います。
派遣の職員であるからと言って、「明日から来なくていい」と、急にリストラされることは少ないと思いますが、状況によっては「仕事内容も変わる」ことが多いので、派遣社員の働き方に将来性があるとは言えません。
「いろんな職場を経験したい」と考える人材であれば、派遣社員で働くことはメリットになりまえますが、年齢によって50代・60代の方は、一般的には「最後の就職先」になりえます。
そのため、派遣社員で働くことは「思わぬ落とし穴」になってしまうこともあります。
仮に、派遣の契約が打ち切られた場合、次の就職先を見つけるまでに時間を要することはあり得ると思いますが、派遣会社を通すと、「派遣会社が、派遣先を探す」ことになると思います。
ですので、「次の職場が見つかるのか?良い職場なのか?」不確定要素が強いと言えます。
まとめ:介護の仕事で人材派遣はひどい:働くならデメリットを覚悟して
実際のところ、経験則でいえば、派遣社員で働くメリットよりもデメリットの方が多い気がします。
介護派遣による働き方を批判・否定するつもりは全くありませんが、一般雇用であれば、働き続けることによって、昇進や待遇向上・または積極的な研修も可能であり、将来性は高いです。
派遣社員としてのメリットである一般雇用・転職よりも「時給が高いメリット」は、それほど大きいものではありません。
良い職場選びをできれば、派遣社員より責任は増えると思いますが、給与は高くでます。
「50代以降の方」が派遣社員に多い傾向があるように、個人的には思いますが、普通に転職活動をしても全く問題はありません。
個人的な見解としては、派遣社員はデメリットが多いと思いますので、おすすめはしません。
介護や福祉の仕事は待遇が低いといえるイメージがありますが、それに対して改善が進んでいる事業所も多くありますし、ホワイトな職場も増えてきています。
そのような職場を見つけられると派遣社員で働くメリットは、さらに少なくなるのではないかと思います。
可能であれば、正社員の「転職」を第一に考えたほうがよいです。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。