人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
AIの発展は非常に目覚ましいものです。
現在、介護や福祉の人材が不足していると言われていますが、もし人材不足の業界にAIが補填できれば、人が働かなくても社会が成り立つ可能性があります。
SF小説のような未来が近づいているのかもしれませんが、介護や福祉の業界ではAIで代替できる業務が少ないとする専門家もいます。
そのため、AIが台頭しても人間が仕事するのに置き換わらないという意見も存在します。
AIが得意とするのは単純業務や方程式があるようなもので、そのようなことが得意なようですが、答えがあるものに関しては得意と言えるでしょう。
ただし、介護や福祉の仕事をしていると「答えを見つけられる」ことはほとんどありません。
ほとんどの場合、答えがなく、一人一人に合わせた課題解決を続けていくことが求められます。
介護や福祉の業界では、おそらく20年以上前から、ニーズが複雑化しており、解決が難しくなっています。
この福祉課題を解決して、充実した生活に戻すことが介護や福祉職のやりがいにつながっていましたが、複雑化した個別のニーズが多く、解決が難しい状況が増えています。
つまり、福祉専門職と言われる人材はやりがいを感じにくい。
そのため、今現在はサービスの質が高いとされる介護・福祉の事業所は、例えばハード面などのサービスや建物の美しさ、入浴施設の快適さなどに注目されやすくなりました。
しかし、本来は福祉的なニーズを解決することが介護や福祉職の役割であり、その解決を通じて職員はやりがいや仕事に意味を見出しています。
ただ、こういった側面が薄れてきている部分もあります。
福祉のニーズは職員や職場の課題解決思考のアプローチから解決されていきます。
こういったアプローチを続けていく職場は、いわゆる介護や福祉の本質を追求している事業所でもあり、今後は唯一無二の存在となるでしょう。
もしやりがいを感じたいという方がいらっしゃれば、そういった職場への転職も一つの選択肢となるでしょう。
今回は「介護・福祉職が課題解決型思考を高める方法」をテーマにお伝えします。
・将来性のある介護や福祉の職場への転職を考えている方へ
・今の仕事のあり方に悩んでいる方へ
- 福祉ニーズ:課題解決を考える=「できない」に向き合う
- 福祉ニーズ:課題解決を考えると持続できるに理由
- 課題解決:介護・福祉の職場・人材がかわる
- まとめ:福祉ニーズ:課題解決を考える職場と人材だけが持続できる理由
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福祉ニーズ:課題解決を考える=「できない」に向き合う
「自信を持って!と言われても自信がない・・・」
「なにか行動するとき、リスクばかり頭に浮かんでしまう・・・」
そのようにメンタル的に低下してしまう介護や福祉の職員は非常に多いです。
このように考えてしまう人材は「仕事の責任をししっかりと理解している人材」ともいえます。
介護や福祉の仕事は難しい仕事も多いです。
年々「困難ケース」と称されるものは、増加傾向にあります。
介護や福祉の仕事はルーティンワークが多いように見えて、意外と複雑な仕事もたくさんあります。
例えば、障がい福祉サービスにありがちな問題としては、「親亡き後に課題となることが多い、後見人の不在」になります。
後見人制度により、後見人を指名している障がいのある方に関しては、幾分安心できる部分もありますが、後見人の手続きが行われていないとサービスの選定にも困難さが出てくることが多いです。
最終的には「障がい者支援施設」いわゆる「入所サービスのあるところで、余生を過ごせればいい」と考える当事者も多いですが、そもそも脱施設化の流れで入所施設が慢性的に不足している状況が障がい福祉サービスの問題として存在しています。
介護や福祉の業界は、膨大な業務量を1人で抱えていることもあります。
自分が「しない」という選択肢も「誰かに負担がかかる」ことになり抱え込みやすい状況になることもあります 。
「弱気」「不安」によりネガティブな思考になることもあります。
福祉ニーズの解決を「できない!」とする理由はたくさんあります。
そのため、「課題解決を提案する能力がある」人材は、「仕事ができる」「頼りになる!」と認めてもらうことができます。
できないに向き合わないと、「単なる介護するだけ」になります。やりがいが感じにくくなります。
福祉ニーズ:課題解決を考えると持続できるに理由
「仕事をする」考え方の一つに「できないことを可能にする」考え方もあります。
これは「できないことを可能にすることによって、新しい価値を生む」ということです。
「難しい仕事ほど、それを解決した時の価値が大きい」ことは、介護・福祉業界のみならずどんな業界だって同じです。
不可能だと周りが思ってきたことを、可能にすることによって「仕事ができる優秀な人材」になることができます。
介護・福祉や介護の仕事はルーティンの仕事も多いです。
一人ひとりの個人のニーズを汲み取ることも必要なので、必然と難しい仕事も増えていきます。
その難しい仕事も知恵と工夫によって、解決をしていかなければなりません。
それは個人のプレーだけではなく、チームの力も借りて解決をしていくことになります。
ですので、チームの力を借りる以上「できない」というネガティブな考え方では、周りと歩調を合わせづらく「できるようにどうすればいいのか?」と考えていく方が、チームメンバーとして協調しやすいのです。
つまり、課題解決を考えていくチームの雰囲気ができると、それに価値が生まれ、福祉ニーズにアプローチする「持続可能」な職場になっていきます。
課題解決:介護・福祉の職場・人材がかわる
なんでもかんでも「できる!」と答えるのではありません。
それは「ただ無理をしているだけ」です。
「こうすればできるのでは?」そんな考え方をしましょう。
それを提案すれば言い訳です。
しかし、この「課題解決思考」というのは、すぐに見つけられるものではありません。
「どのようにして、できないことができるようになるのか?」という考え方を習慣化する必要があります。
そのため、ネガティブに物事を考える思考から変革をしていく必要があります。
介護・福祉職が福祉ニーズに着目し、課題解決型を高める方法:他者に相談する
「課題解決型思考を身につける」ためには、「他者の力を借りること」が比較的簡単です。
他者に対して、「このことについてどう思うか?」と聞いて、アイデアを聞くことが練習になります。
勘違いしてはいけないことは、そのアイデアに対する批評をしないことです。
それは絶対に避けることです。
A職員
「この問題に対してどのようにしたらいいか?」
B職員
「このような方法を行えばいいと思う」
このような状況に対して、「その方法は無理だと思う」と続けてしまうと、「課題解決思考」ではなく、それに対して「できるか?できないか?」の選択をしていることになりますので、意味がありません。
ですので、「そのような考え方もあるのか?」と受け止めることが必要になります。
「できる方法を考える習慣をつける」ことは、「できる」という考え方にたくさん触れることが必要になります。
そのために、自分が思いつかなければ、「他者の力を借りることが楽」なのです。
介護・福祉職が課題解決型を高める方法:具体的例
例えば、「上司に仕事を任せられた」と仮定しましょう。
上司
「このケースを担当してください」
職員
「別のケースに取り掛かっているので、できません」
このように答えてしまうとNGです。
それが事実だとしても 「仕事の効率が悪い人材だ」と思われます。
もっといえば「やる気がない」と評価されることにつながります。
いくら「やる気」があって「仕事に真剣」であっても、それが伝わらないことは残念な結果になります。
上司
「このケースを担当してください」
職員
「今こちらのケースに手がかかっています」
「急ぐのであれば、今持っているケースを他職員に任せて新しいケースを受け持つことは可能です」
「いかがしましょうか?」
上記のように「できないことも、できるような解決策」を加えて上司に相談することが基本です。
上記のような伝え方を意識すると、上司やチームリーダー・周りからも信頼を勝ち取ることはさほど難しくありません。
上司
「このケースを担当してください」
職員
「忙しいのでできません」
上記の例に関してストレートに「できません」と断る方法に関しては、判断しているのが上司ではなく自分にあります。
このような伝え方は周りから「仕事ができない上に、勘違いしている」と見られる可能性があります。
あくまでも組織の決定は上司であったり、そのチームのリーダーによるものです。
後者の例に関して「できる」提案をした後に判断を上司に仰いでいます。
組織の仕事では、決定や方針は上司やリーダーが決定することなので、組織的な指示系統も適切と思います
まとめ:福祉ニーズ:課題解決を考える職場と人材だけが持続できる理由
介護や福祉の仕事は、個人プレーで仕事することは少ないです。
個人に任せられる仕事が少ないわけではなく、イメージ的には個人には任せるが、全員でカバーしようという考え方です。
ですので「協調性が大事」とされます。
仕事も多いですし、難しい仕事も決して少ないわけではありません。
個人で膨大にこなしている事も多いですので、「できない理由」を探しがちです。
「できない理由」は簡単に探すことができます。
課題解決型の思考で提案する 「仕事ができる職員」「この人材には頼りになるなぁ」と思わせるきっかけになります。
課題解決型思考を評価してくれる職場は、積極的に変化を起こす「働きやすい職場」と言えます。
福祉ニーズは、その人が抱える状況によって異なるため、解決が非常に難しくなっています。
そのため、解決できる方法を見つけることは稀です。
ただし、考えることを放棄してしまえば、将来的にも持続可能な状態を維持することが難しくなります。
将来性を高めるためには、職場や自己において考える力を養い、課題解決を意識することを続けていくことが必要です。
是非、そのような職場を見つけることができれば、自分自身も影響を受け、課題解決思考が身につくと思いますよ。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。