「転職の候補先は、小規模な法人よりも大規模な法人の方がいい!」
「全国展開の法人・企業の方が待遇が良さそう!」
そのように考えたことはありますか?
転職活動で「法人規模を比較対象として、応募判断の基準にする方法」があります。
一般企業で言えば、この方法はメジャーだと思います。
経営的な体力面としては、大手の企業の方が優れていることが多いため、福利厚生などを考えた場合は、待遇面に焦点を当てれれば、「大企業の方が有利」といえます。
介護・福祉の業界で、この方法が通用するのか?
介護・福祉のサービスは、現在、株式会社などの様々な法人が参入しています。
その中でも、今回は福祉サービスを提供する代表的な『社会福祉法人』に焦点を当て、「介護・福祉業界における事業規模での判断の方法」をテーマにお伝えします。
(※社会福祉法人に焦点はあてますが、株式会社等の他の法人格でも、一般職員レベルでは、それほど大差ないと思います)
・転職の基準として法人の事業規模を考えておられる方へ
・法人の規模によるメリット・デメリットを知りたい方へ
・転職をお考えの方へ
- 大手の法人が有利なのか?法人規模での転職の考え方は?
- まとめ:大手の法人・企業が有利?介護・福祉の仕事の探し方!
・大規模法人は、キャリア構築がしやすい!
・中小規模法人は、一体感を感じやすい!
大手の法人が有利なのか?法人規模での転職の考え方は?
介護・福祉業界の転職を考える時に、「法人の規模を基準にして、応募する判断の要素にする」ことはとても良い事だと思います。
法人規模によって、判断することは大規模法人、中小規模法人のメリット・デメリットを把握しながら、自身にあった職場を選ぶ必要があります。
法人規模によって、働くことにおいて「良い職場・悪い職場」がわかるわけではありません。
「実際の職場の雰囲気が良し悪し」は、決して法人規模ではわかりません。
今回は『社会福祉法人』に焦点を当ててお伝えします。
(※社会福祉法人に焦点はあてますが、株式会社等の他の法人格でも、一般職員レベルでは、それほど大差ないと思います)
大規模法人と中小規模法人の「待遇」については、基本的に「それほど差はない」と思って良いかと思います。
一般職員レベルになりますが、社会保障の中で事業活動しているので、収入に対する上限が決まっています。
ですので、規模が大きいと利用する方も多いので事業収入が多いことはありえますが、経費等も多くなってくるので、「待遇」に明確な差があるわけではないと思います。
ただし、大規模法人において前提条件として「経営的な体力があること」は、一般企業の大企業と同じだと思います。
大手の法人と中小規模法人とは?規模の定義
中小企業基本法で は下記のように規定されています。
社会福祉法人には「資本金」という概念がありませんので、中小規模法人については、従業員100人以下と定義します。
また大規模法人については、従業員が100人以上と言えます。
介護・福祉業界での大手・大規模法人について
大規模法人の特徴的なものは「事業範囲が広い」ことです。
事業範囲が広いということは、対応する活動範囲も広いといえます。
「幅広い福祉ニーズに対応できる」ことが大規模法人の強みでもあります。
転職に関する介護・福祉の大手・大規模法人のメリット
大規模法人を選ぶ一番のメリットは「経営体力がある」ことに尽きます。
経営体力が強いことは、働く上で重要なことであって、将来的に社会保障制度が変化し、経営が難しくなる状況になっても、経営的な体力があれば「倒産しにくい」状況になるといえます。
「倒産しにくい」ことも、安心して働くために重要なことです。
ただし、株式会社など営利法人になると、「撤退」の判断があるため倒産はしなくても事業を廃止することは社会福祉法人より可能性があります。
社会福祉法人の場合は、廃止は容易ではありません。
経営的な体力があることについては、大手のメリットです。
また、それ以外にも数々のメリットがあります。
介護・福祉の大手・大規模法人は「福祉ニーズにおいて柔軟な事業展開」が可能
事業資金に「ゆとり」があることによって、新たなサービスを展開できることも可能になってきます。
展開するエリアにおいて、福祉ニーズに柔軟に対応することも可能になってきます。
このことは「チャレンジがしやすい雰囲気」に大規模企業はなりやすいといえます。
「チャレンジする情熱を、仕事の中で叶えていきたい!」という希望のある方は、大規模企業の方が向いていると思います。
介護・福祉の大手・大規模法人は「法人内の資金の融通が可能」になる
大規模法人であれば、ひとつの事業所が「赤字」を抱えても、黒字の他事業所がそれを補填したり、融通しあったりすることで、法人全体としては黒字を保つことも可能になってきます。
これが経営的なものだけではなく、職員一人一人にも安心して働ける材料になります。
本来、中小規模法人であれば赤字がある事業所は、職員に「プレッシャーがかかりやすい」といえます。
そのため中小規模法人は、職員一人ひとりの業務量も増えることが多いのですが、大規模法人は補填できる資金があるため、職員もゆとりを持って働けるというメリットがあります。
そのため安定して働きたいと方にとっては、大規模法人が向いていると言えます
介護・福祉の大手・大規模法人は「人事異動が可能となり、職員のキャリア形成」がしやすい
大規模法人は、様々な事業を持っていることが多いです。
例えば、高齢者分野に特化している事業所でも、障がい分野の事業所を持っていたり、様々な福祉ニーズを抱えている方に、対応できる事業所を持っていることが多いです。
そのため、一つのことを専門的に学ぶということでなく、様々な経験やキャリアを積むことが可能になると思います。
また事業規模が多いことは、出世のチャンスも増えるということです。
もちろん職員が多くなってくると、その出世のために「競争」も出てくると思いますが、事業が多いとそれだけチャンスは増えると言えます。
様々なことを学びたい方は、大規模法人の方が向いていると言えます。
介護・福祉の転職に関する大手・大規模法人のデメリット
大規模法人のデメリットとして、代表的なものは「フットワークの重さ」と「人事異動」になると思います。
介護・福祉の大手・大規模法人は「意思決定に一定の時間を要する」場合がある
大規模法人は、基本的にフットワークが「重い」ことが多いです。
その理由としては、事業の権限が管理者といえども限定されていることが多いからです。
そのため、その都度「関連の部署」や「上層部で行動を決める」ことも多くなってきます。
フットワークが重くなりがちなので、「行動力を持って仕事をするタイプの方」は大規模法人は「仕事がやりにくい」と感じることも多いと思います。
ある程度、出世をしていけば裁量が増えるため、キャリアアップをしていくことで解決することはあろうかと思いますが、基本的に大規模法人は、行動力を持って仕事をするタイプにはデメリットになるかと思います。
介護・福祉の大手・大規模法人は「各事業サービスの統一的管理」が必要になる
大規模法人といえども、すべての事業所を「統一管理する」ことは難しいです。
もちろん大規模法人でも、サービスの統一性をしっかり管理していることもあると思いますが、通常は統一的な管理は、非常に難しい部分になってきます。
職員から見れば、同じ法人内の事業所でも働くにおいて「人気の事業所」や「配属されたくない事業所」などが出てくることが一般的です。
また、人事異動も頻繁に行われていることも多いため、定着して働きたいという方には不向きになります。
介護・福祉業界での中小規模法人について
中小規模法人については、「100人以下の従業員が働いている法人」です。
そのため大規模法人に比べ『小さい組織の強み』があるといえます。
介護・福祉の転職に関する中小規模法人のメリット
中小規模法人の一番のメリットは、特定のエリアにおいて「事業展開を鋭く深く展開している」ことが多いことです。
そのため「自宅付近の中小規模法人に転職した」ということになると、自身がもつネットワークを活用できたり、地域密着しやすいサービスを展開しやすいことはあります。
介護・福祉の中小規模法人は」意思決定が迅速」なことが多い
中小規模法人の『小さな組織の強み』です。
意思決定が迅速なことが多いので、職員に裁量が与えられていることも多いです。
そのため「行動力を強みとして仕事をする方」にとっても、働きやすいと思います。
意思決定が迅速なことは、「サービスをいち早く提供できる」ことや「チャンスを活かせる」ことになります。
介護・福祉の中小規模法人は「地域に特化したサービスをきめ細かく提供する」ことが可能
地域に密着している中小規模法人が多いので、地域に根付いた経営をしていけば、きめ細かいサービスを提供することが可能です。
そのため地域の中でパイプを増やしたり、ネットワークを作ることが可能になってきます。
人付き合いが好きな方にとっては、中小規模法人の方が転職のメリットがあるといえそうです。
介護・福祉の中小規模法人は「法人全体の一体感」が醸成されやすい
大規模法人は、「事業が別かれている」ため、法人全体で一体感を醸成する事は、なかなか難しいことです。
中小規模法人であれば、従業員が少ないこともありますが、全体での一体感は感じやすいといえます。
マネジメントする人材によりますが、大規模法人に比べ、中小規模法人の方が目が届きやすいこともあると思います。
そのため人間関係も、「中小規模の法人の方が、コントロールしやすい」といえます。
介護・福祉転職に関する中小規模法人のデメリット
中小規模法人のデメリットになる部分は、「サービスの展開において」と「キャリア形成」になります。
介護・福祉の中小規模法人は「サービスを多様に展開する際に制約」がある。
サービスを新しく展開しようとした時に、制約があることが多いです。
その制約で、代表的なものは「人員」になります。
新しいサービスを展開しようとした場合に、そこを管理する人材や新規で職員を確保しなければなりませんが、余剰人員を常に雇用している中小規模法人も少ないことが多いです。
新しくチャレンジしようとしたとしても、経営資金に限りもあり難しいこともあります。
そのため「チャレンジを積極的に行いたい!」と思いながら、働いている方については中小規模法人においては、デメリットになると思います。
介護・福祉の中小規模法人は「人事異動の幅が限られ、職員のキャリア形成に限界」がある。
サービスを新たに展開することが難しいことから、事業数もそれほど多くないです。
そのため、人事異動はあまりないといえますが、「新しいことを学びたい!」「キャリアを作っていきたい!」と考えている方にとっては、キャリア形成には限界があると言えます。
そのため、「仕事で学びたい!」成長意欲のある方に関して言えば、中小規模の法人はデメリットになることもあり得ます。
まとめ:大手の法人・企業が有利?介護・福祉の仕事の探し方!
法人規模を転職の判断基準にすることは、とても重要な事です。
しかし、「自分自身がどのような働き方をしたいのか?」「どのような強みや、力があるのか」 そのようなことを考えながら、向いている法人規模を考えた方が良いかと思います。
法人規模では、「待遇には差がない」ことが多いですが、経営体力においては、大規模法人の方が有利です。
しかし、「なにを優先するか?」をしっかり考えて、向いている職場を見つけた方がよろしいかと思います。
法人規模だけで「ホワイトな職場なのか」はわかりませんが、数多くある求人票から事業規模に問わず「良い職場を選ぶ」必要があります。
とても難しいことに感じるかもしれませんが、下記の記事のノウハウで良い職場を見つけることが『驚くほど』簡単になると思います。
参考になれば幸いです。