福祉の業界では転職があまり受け入れられない傾向にあることも事実です。
その根本の部分が、「人手不足」と「ノウハウの欠如」にあるため、急な欠員は非常に雇い主(事業所側・職場側)は困る状況になるわけです。
そのため「転職も退職もしにくい状況」が生まれます。
しかし、人手不足の職場が福祉現場では多いことで、過重労働などのブラックな状況が出てしまいます。
(人手不足による過重労働などは、何も福祉業界だけではありません。今現在の日本の労働問題と言っていいと思います。)
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20代で転職をしない方がいい理由は業界の根本にある
少しずつ、介護・福祉現場の働きやすさも改善しつつあるような傾向にはありますが、根本的に人手不足というものがあるため、働きやすい環境にするためには事業を縮小しない限りは難しくなってくるのです。
仕事の効率はもちろん重要なことですが、「ケア」の性質上、「人へのサービスに対する時間」は削減しにくいのです。
それを削減しようとすれば、ケアの質が低下し利用者離れがおき、職員は退職が続くなど経営状態が悪化することさえあります。
経験則になりますが、介護現場の実態は、職員の配置基準があるため、現場ではそれを守らなければなりません。
しかし、その配置基準で定められた人数のギリギリで仕事すると、黒字化ができ、「黒字経営」として持続していくことは可能になりますが、介護職員は実際のところ、介護業務だけをやってるって言うわけではないので、事務系やその他運営に関わるものを職員がしなければならないことはザラです。
ですので、それを肩代わりする事務系の職員などを雇うと、それだけ業務専従はできて、介護職員の負担は減るけども人件費が上がるということになります。
つまり報酬体系や運営上の基準も課題になってくることが多いため、福祉経営は困難を極めることが多いです。
職場(法人)が大規模になってくると、それだけ安定してくる印象があります。
現行の報酬制度で考えると、人件費を圧迫しやすいことになっているため、そもそもが業務効率を上げて、(人がいらない状況やAIの代替など)で「働く環境を整える」ことは、福祉業界・医療業界では難しい状況にあります。自動化できるのは、あくまでも事務的なものに限定されるかもしれません。
当然のように人件費が上がってくると事業を縮小するということになりますが、そうなってくると事業収入が減ることになります。
前置きが長くなりましたが、これを基礎として、20代のキャリア・転職を考えることは雲泥の差がでます。
今回は介護・福祉業界の報酬制度のあり方から転職について考えていきたいと思います。
キャリアを考えると20代で転職をしない方がいいタイプは?
早速本題に入っていきますが、2つほど転職をしない方がいいタイプがあります。
実際は、「転職をすべきかどうか」を結論づけるには、「自分自身の環境より、職場の環境によることが多い」と私は考えています。
ここで述べる転職をしない方がいいタイプは、「転職が失敗しやすいタイプ」と置き換えてもいいです。
逆にいうと「転職しない方が成功しやすい」ともいえます。
1.比較的大きい法人に勤めている方で、出世欲があり経営的な考え方ができる方
2.すでにホワイト企業など、何らかの社会的ステータスを持っている法人で働いている方
2つのタイプの方は、環境的には働く価値を見出しやすい職場といえます。
転職をした方がいいタイプの方は、働く価値を見いだせない方である方が多く、現職場にそれほど魅力を感じていない方が多いと思います。
もし、上記の2つのタイプの職場で勤めておられるのであれば、転職をしない方がいいと思います。
20代でも大規模法人に勤め、出世欲や経営的な考え方ができる方は転職はしないほうがいい
20代の人材は、どの業界でも同じことになりますが、「基本的には下積み年代」になります。
この下積み年代は「専門職であればあるほど、大事な時期」でもあります。
ですので、20代のうちにあまり転職を繰り返すことは、下積みを作れないという状況にもなりかねないため、基本的に転職を繰り返す人= ノウハウ やキャリアを持たない人という風潮があります。
この風潮は専門的な知識・技術が特に必要な業界は多いです。
もちろん転職を繰り返すことをネガティブとして評価をする職場ばかりではないと思いますが、基本的に福祉業界ではそのような見方をする法人が多いような気はします。
その理由は、現行の報酬制度では 給与が伸びにくい環境であったり、介護・福祉施設は需要があるため、新規参入をする時に引き抜かれたりすることが多いからだと思います。
実際に私自身も転職する際には、「量=就職先候補」には全く困りませんでした。その中で選ぶことは大変な作業でした。実際に私が転職をしたのは30代でしたが、人事のトップや福祉経営のコンサルとして働いていることには、20代の下積みが大きいことは確かです。
「つらい経験を乗り越えること」は大切になります。
20代で転職を繰り返すことは、介護・福祉業界では受け入れられにくい傾向にあります。
「そんなことは実際にない」という意見は、就職のしやすさをメインにおいている意見であり「出世」を考えると、キャリアとしての信頼性は低くなります。
「20代」という若い人材は、若さだけでも武器になります。
しかし、しっかりと転職先を調べることができることが条件です。
それさえあれば転職は「OK」だとは思いますが、もし条件に当てはまるような現職であれば、もしくはそのような能力があるのであれば、将来的に出世をする方が給与が格段に伸びる傾向にはあると思います。
実際のところ、社会福祉法人は 顕著ですが役職者あたりは現場上がりの人を据える傾向にあります。
また、長く勤めてくれる人の方が都合がいい場面が多く、「長年勤めている」だけでも出世 条件として なりやすいのです。
ですので、大規模な法人であれば、出世をする条件が「勤務年数による」こともありえますので、「早く出世したければ転職をしない」考え方が良いかと思います。
逆にいうと、転職を繰り返してしまうと出世しにくいともいえます。
そうなってくると、給与が20代では伸びにくいのです。
できれば 20代は可能であれば「一つの勤務先」で勤務歴が3年から5年はあった方がいいかなと思います。
20代でも転職しないほうがいいタイプは、ホワイトな職場に勤めている場合
例えば、社会福祉法人の中でも「健康経営優良法人」という称号を持っている法人さんもあります。
そのような外部からの評価・認証制度を利用している職場は、それに適合し続ける必要があるため、職員の健康状態だったり働き方というのに常に気を配っているといえます。
ですので、このような職場を辞めることはおすすめしません。
20代は、人生的なイベントが多いため「ホワイト企業」と認定されている法人に勤めることができれば、結婚や出産などの充実した福利厚生を受けることが可能です。
ですので、収入だけを考えてしまうと転職の失敗をしやすいかと思います。
例えば、出産などのライフイベント時に「出産したらできるだけ早く戻ってきてほしい」となれば、「出産・育児を楽しめない」状況もありえます。
そのようなことになると、必ず精神的な疲れというのが出てきます。
家庭内の問題に発展する可能性もあります。
ですので、ワークライフバランスは転職において重要なのですが、そのようなワークライフバランスを促進している職場は増えつつありますが、それをしっかりと叶えられている職場というのは まだまだ少ないです。
まとめ:20代で転職をしない方がいいタイプは?キャリアの問題は?
転職をしない方がいいタイプの条件を述べてきましたが、
1.比較的大きい法人に勤めている方で、出世欲があり経営的な考え方ができる方
2.すでにホワイト企業など、何らかの社会的ステータスを持っている法人で働いている方
どちらとも、今いる職場環境によります。
ですので、出世欲があり経営的な思考ができる人材だとしても、職場に恵まれてなければ「勤める価値」は見出せなくなります。
例えば 出世欲があり、経営的な思考があっても小規模な職場であれば、この小規模な職場は、例えば親族経営だったり、もしくは偏った考え方で福祉的な事業とは違う運営していることも多く、逆に従来の福祉業界の考え方であった「奉仕精神的な考え方」でビジネスとしてなっていないこともありえます。
ですので、そのような職場で出世欲を持つことは、報われることが少ないような気がします。
20代は、述べたように若さだけで価値があるのですが、「転職を繰り返してしまう」その理由が根拠を説明できるものであればあれば大丈夫ですが、理由がリサーチ不足により職場に恵まれない。例えば「合わなかった」「人間関係が・・・」ということであれば 、問題のある人材として捉えられかねない時もあります。
ですので、できれば 3年から5年は 待ったほうが良いとは思います。
20代での転職は30代がイメージできるかどうかを中心に据えた方がいいかなと思います。
しかし、今回の条件にあっていなければ基本的には私は「転職」をすべきだとも思います。
参考になれば幸いです。