「業務効率を求められるけども、利用者へのサービスの質の低下が心配・・・」
「業務効率を求められると。スケジュールがタイトになって大変。ゆっくりと働きたい!」
介護の仕事をしていく中で、このようなお困りごとはあると思います。
働くスタイルによっては、「目指す介護のあり方」について、職場の方針と自分自身の考え方が違うこともあるのです。
例えば、定年退職をしてセカンドライフとしての働き方を求めている方は、やはり仕事を忙しくこなしたいことよりもゆっくりと自分のペースでこなしたいという考え方になりやすいと思います。
ただし職場によっては同じ人件費ですから、他の職員と同じぐらい働いてもらわないと困るのです。
また忙しい職場であるほど、人間関係として「他職員のサボり」という状況に見えることは人間関係が乱れるきっかけになりやすいものです。
今回は「業務効率が徹底されている職場は、介護の質も高いか?」をテーマにお伝えします。
・セカンドライフとしてゆっくりと働くことを求めている方へ
・介護士として働く以上、介護の質を確保したい方へ
・業務効率を求めると質も高くなる傾向はあります
・個人のスキルが求められる傾向にあります
介護業界が介護士の業務効率を求めている理由
職場が介護(ケア)の業務効率を求めている理由としては、出来る限り介護報酬を得るための売上にかかる部分が欲しいことがひとつの理由になってきます。
「利用者1人の介護に対する報酬の支払い」は、現在では「一人に対してどれだけサービスを提供したか?」よりも、「施設においてどれだけの人数にサービスを提供したか?」が、主軸になっています。
そのため、利用者1人にどれだけ潤沢なサービスを提供したとしても、報酬に大きく差が出ることはありません。
ですので、なるべく「多くの方に介護サービスを提供する」ことが考え方の軸になってきます。
そのような状況だからこそ、「職員1人が何人の利用者にサービスを提供できるか」が考え方として必要になってくるので、利用者一人一人のサービスの提供時間を限りなく少なくして、万遍なく行き渡るように工夫する必要があるのです。
もちろん、このことは極論的な考え方ですが、介護報酬をしっかりと確保して行くことを考えるとこれに基づいた考え方は必要になってきます。
ただし介護報酬を目当てに利用者を確保もしくは、サービス時間を限りなく少なくしていくとサービスの質が低下することになります。
ですので、サービスの量を一人に対してどれだけ行なっていくか差をつけていくかという考え方が必要になってきます。
つまりこれがサービスの質を確保していく考え方になります。
「サービスが必要な方に対しては、必要なサービスを提供する。」
「サービスが必要のない人には、過剰には提供しない。」
そのことをしっかりとコントロールしていかなければ、介護の質というのは確保しにくいのです。
過去「介護の質」は、「一人一人に対して、どれだけ手厚くサービスを提供できるか」ということが考え方の基本になっていましたが、この考え方は時代に合わない考え方になってきています。
そのため介護の質を限りなく少なくして、サービスを手厚くするのであれば、利用者は自己負担をすることが基本です。
これが、介護・福祉業界だけではなく、医療・看護業界でも同様のことが起きています。
つまり「業務効率を高くしていくこと」と「介護の質を担保していくこと」を両立させることが今の時代の考え方となります。
しかし、業務効率を追求しすぎていくと。利用者離れとなりますので非常にバランスが必要になってくることも事実です。
限られた経営資源で、なるべく財務の健全性を確保していくために業務効率を求めて行くことが理由になります。
介護サービスの質が低い職場の特徴
業務効率をあげることが、介護の質のサービス向上につながることは先述しましたが、そもそも介護サービスの質が低い職場の特徴は、「現場が上手く回っていない」ことが挙げられます。
例えば、「利用者情報などの共有ができていない」「コミュニケーションができていない」ということになってくると、実際に事故が起きたりまたは、担当者によっては知らないことから、クレームが発生したりとトラブルが発生しやすくなります。
実際には、このようなことが「介護サービスの質の低下」につながってきます。
「サービスの質の低下」を考えると、個人の技術不足を真っ先にあげる専門家もいますが、介護の業務に関する個人のスキルは、現場での教育体制がしっかりとしている職場も増えてきています。
ですので、個人の介護技術が「介護の質の低下につながる」という考え方は、あまりしっくりきません。
それよりも「職場全体としてうまく回っていないこと」が大きな「介護の質の低下」の原因になると思います。
職員同士でしっかりと話すことができれば、情報共有もうまくできるのでしょうが、そのような時間も取れない職場もあります。
そのため業務効率を求めている職場は、個人のスキルを求められていることもありますが、介護の質がそもそも低い職場については、業務改善の方向性が間違っていることもあります。
介護の業務効率を求めると質も上がる理由
業務効率をしっかりと求めていくと、個人のスキルも上がっていく傾向にあります。
これが介護の質が上がる根本的な理由です。
個人のスキルが上がってくると、職場の業務システムが上手く回り始めてきます。
つまり職員一人ひとりが、その業務効率をしていく環境に慣れていくということが大きいです。
「慣れる」ことが生まれてくると、この中でサービスの差配ができるようになってくることが多いです。
これがいわゆる「介護の質も、業務効率も担保できている状態」になります。
このような職場が転職におすすめにはなりますが、介護経験がある人材は、個人的なスキルを伸ばしていくためのチャンスともいえますが、環境の違いに驚くこともあると思います。
未経験の方などは、前提となる経験がないため理解しやすいのではないかと思います。
そのため職場選びというのは非常に重要なのです。
まとめ:介護の業務効率を求めている職場は質も高い?
業務効率をしっかりと行なっている職場は、間違った方向でなければ介護の質も非常に高い傾向にあることがおわかり頂けたかと思います。
介護の質が今の時代は「どのようなものが求められているのか?」
過去、介護の質というのは「一人にどれだけ尽くすことができるか?」ということでしたが、今現在では「必要なサービスを必要な分だけ提供する」という考え方になりつつあります。
もしそれ以上のサービスを求めるのであれば、利用する側の自己負担が必須です。
介護の質が、どういうものなのかということは「個人の考え方」によりますが、働く人材の個人的な考え方と、職場の方針が一致しないと、転職で成功することは難しいと思います。
そのため転職活動をする際には、求人票だけで判断するだけではなく、情報収集や職場見学などを通して根拠を持って判断できるようにしていくことが鉄則です。
介護・福祉の業界は常に多くの求人票があります。
その中から「理想の職場」「ホワイトな職場」を見つけることは至難の技です。
下記のノウハウで「理想の職場」を探すことが、『驚くほど簡単』になります。
参考になれば幸いです。