介護職・福祉職の方は、燃え尽き症候群(バーンアウト)しやすいと言って良いと思います。
抱えた業務量の問題や職員同士の人間関係、人手不足による繁忙、その他様々な要因でストレスを溜め込んでしまうことが原因です。
職業柄か「無理です」と断ることができないこともあり、気が優しい反面「抱え込みやすいタイプの方」も多い印象です。
また、精神論的な考え方で経営している事業所も多く、職員の「無理!」に気づかないことが多いです。
私も燃え尽き症候群になりかけた事があります。
燃え尽き症候群になると、そのまま無理をすることで社会復帰すら難しくなることもあります。
ですので、根本的に環境を変えることが必要になると思います。
燃え尽き症候群を防ぐためには、個人の力ではどうしようもないことが多いです。
一番大きな予防策はやはり組織の力になります。
今回は燃え尽き症候群をテーマにお伝えしようと思います。
・個人の努力では防ぐことは厳しいです!
・燃え尽き症候群を防ぐには「組織的取り組み」が必要です!
・「頑張ります」はもう危ない!
介護・福祉職の燃え尽き症候群(バーンアウト)について
私たちは対人サービス業ですので、人に対して「尽くす」仕事です。
そのため、その人に対して真剣に向き合ったり、神経を使った仕事が求められます。
仕事に対して手を抜いてしまうことが難しく、長時間の勤務や精神的な負担を抱えながら勤務することも多くあります。
モチベーションが高いうちはいいですが、モチベーションが高いことが長く続くとは限りません。
介護や福祉の仕事は、対象者に「何らかの支援」を行うことが多いですが、その効果が見えるまで長時間かかったり、数字で評価できることがあまりありません。
そこが達成感を感じにくい部分でもあります。
そのためモチベーションを維持することが難しい部分があります。
仕事に行き詰まってもうまく切り替えたり、ストレス発散ができる人ならばいいです。
「もっと頑張らないと」と思うことはもう危ないのです。
介護・福祉職の燃え尽き症候群(バーンアウト)の具体的例
職員の中には「感情」を仕事の理由として、介護・支援している方がいます。
「感情」を仕事にいれることが悪いわけではありませんが、利用者の方に感情が入ってしまうと、「その人のために一生懸命になろう」としてしまいます。
介護や支援は、効果が見えるまで、時間がかかります。
先述したように、時間をかけても効果が出ないこともあります。
どれだけ熱意を持って取り組んでも、それが報われるわけではありません。
親切丁寧・誠心誠意の仕事をしても、ご本人やご家族から、クレームを受けることもあります。
そのため、「何のために頑張っているのか?」わからなくなってきます。
そこから、日頃の業務にやる気が無くなってきます。
これが続いていけば、「燃え尽き症候群」になります。
燃え尽き症候群を防ぐためには「ストレス発散や、相談相手を見つけましょう」そのようなアドバイスが多いと思います。
それ自体は間違ったことではないと思いますが、そもそも私の場合は「仕事中心」であったのでストレス発散方法が仕事であったことが事実です。
つまりストレス発散も仕事・ストレス源も仕事なのです。
ストレス発散も仕事になることから、趣味を見つけたり余暇を楽しむことは、根本的な解決策になりません。
少し疲れているくらいであれば、もちろん気分転換としてなりえますので、大事なことではあると思いますが、 個人で燃え尽き症候群を防ごうとするのであれば、環境を変えることが早いと思います。
つまりは退職及び転職です。
個人で燃え尽き症候群は防げない何も自分から「燃え尽き症候群になろう!」と思って、仕事をしているわけではありません。
誰だってそうです。
燃え尽き症候群を防ぐためには、「組織の力」が必要です。
介護職や福祉職はそのような燃え尽き症候群になるようなケースが多いです。
そのため精神的な負担を軽くしようと労務環境の整理をしている職場や、ワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組んでいる職場は多くあります。
そのような職場であれば、負担感をあまり考えることなく「やりがい」を持って仕事ができると思います。
燃え尽き症候群になりやすい方は、必然的に業務量を抱えてしまいます。
その結果、キャパオーバーをしてしまうことがあります。
職場が「業務量をコントロール」することが必要です。
コントロールしていない状況が続くと、どんどん燃え尽き症候群になりやすい人が業務を抱え込みます。
なおかつ、上手く自分の業務をコントロールできる人は少ない業務量になります。
そこから「負担の不平等」が出てきてしまいます。
そのため、可能であれば「職員一人ひとりの業務量をマネジメントする」上司や組織のあり方は必要だろうと思います。
もちろん、業務量コントロールだけでなく、業務効率化やルーチンワークにすることも含みます。
燃え尽き症候群の方は、「他人に仕事を任せる」ことが苦手なところがあります。
私の場合は、「頼みづらい」より「自分でやった方が早い」という感覚になるのですが、上司に差配をしてもらった方が、おそらく組織的には業務の全体像が把握しやすいと思います。
組織は業務量を、個人に任せるのではなく個人に采配するようなシステムやルールを整えるべきです。
仕事の負担が不平等になってはいけない介護や福祉の人間関係は、「あまり良くないイメージ」があると思いますが、「業務量も偏りがある」ことがあります。
体力のいる仕事は常に、若く体力もある職員に集中したり、事務処理が得意な職員に事務系の仕事を任せたりと、それが「適材適所」の考えであれば問題ありませんが、組織のパワーバランスによるところがあります。
きめ細かく、職員に対しての業務量の調整をしていたら、必然的に職員とのコミュニケーションも多くなってくると思います。
その中で「様子がいつもよりおかしい」などを上司が感じれば、その都度フォローしてあげることが理想的な職場環境になってくると思います。
職員の状態にいち早く気づけない職場が、利用者の様子に気づけるわけありません。
基本的に、「職場環境が乱れる」多くの事業者の原因は、ルールがないことが多いような気もします。
ルールはあっても、それを守らせようとする上司の存在がないことが多いです。
まとめ:介護・福祉の仕事で燃え尽き症候群を防ぐ方法~経験談~
燃え尽き症候群になるのは、個人の問題ではないと思います。
個人の責任だけにするのではなく、組織的な問題で対応するべきだと思います。
介護や福祉の業界は一般職員の人材だけではなく、管理職も燃え尽き症候群になりやすい傾向にあります。
燃え尽き症候群が、福祉業界・介護業界が多いことは、チームワークが必要な職種だとされているのに、チームワークができていないことを現しています。
精神論で働いていくことは、介護・福祉業界のみならず、どの仕事でも難しいです。
モチベーションを上げる・維持するには精神論では通用しません。
特に若い世代はそれでは伸びません。
人を大切にしてくれる職場を選ぶべきです。
介護・福祉の業界は常に多くの求人票があります。その中から「理想の職場」「ホワイトな職場」を見つけることは至難の技です。
参考になれば幸いです。