人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)
介護職・福祉職の方は、燃え尽き症候群(バーンアウト)しやすいと言えるでしょう。
業務量の増加、職員同士の人間関係、人手不足による繁忙など、さまざまな要因がストレスの原因となります。
この職業では、「無理です」と断ることが難しい場面もあり、気が優しくて抱え込みやすい傾向の方も多いです。
さらに、精神論的な経営をしている事業所もあり、職員の「無理!」に気づかないことがよくあります。
私自身もかつて燃え尽き症候群に近い状態になったことがあります。
燃え尽き症候群になると、そのまま無理を続けることで、結果退職に至り、社会復帰が難しくなることもあります。
従って、根本的に環境を変えることが必要です。
燃え尽き症候群を防ぐためには、個人の力だけでは対処しきれないことが多いです。
一番有効な予防策は、組織全体でのサポートや改善策の導入です。
今回は経験談も踏まえ、「燃え尽き症候群」をテーマにお伝えしようと思います。
・一度「燃え尽き症候群」になると、社会復帰が困難になることがあります。
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燃え尽き症候群で退職:介護職・福祉職はなりやすい。
私たちは対人サービス業であり、「尽くす」仕事を提供しています。
この仕事では、相手に真剣に向き合い、神経を使うことが求められます。手を抜くことが難しく、長時間の勤務や精神的な負担も珍しくありません。
仕事に対しモチベーションが高い時期もありますが、その状態が長続きするわけではありません。
人によっては、モチベーションの「持続」が難しい職業であるとは思います。
介護や福祉の仕事は、対象者に支援を提供することが一般的ですが、その効果が見えるまでに時間がかかることや数字で評価されにくいことがあります。
これが達成感を感じにくい部分です。
そのため、モチベーションの維持が難しい側面があります。
仕事に行き詰まった場合、うまく切り替えたり、ストレスを発散できる人が望ましいです。
「もっと頑張らないと」という思いは危険です。
燃え尽き症候群で退職:バーンアウトがしやすい実態
職員の中には、仕事に「感情」を込めている方がいます。
これは悪いことではありませんが、感情が入ると「その人のために全力を尽くそう」という気持ちが芽生えます。
しかし、介護や支援は成果が時間をかけて現れるものであり、その効果がすぐに出るわけではありません。
時には、どれだけ努力しても報われないこともあります。
親切で誠実な仕事をしても、クレームを受けることもあるでしょう。
そのため、「なぜ頑張っているのか?」が分からなくなり、やる気を失うことがあります。これが続くと、「燃え尽き症候群」に陥ります。
燃え尽き症候群を防ぐためには、「ストレス発散や相談相手を見つける」などのアドバイスがあります。
これは悪いことではありませんが、私の場合は「仕事中心」であり、ストレス発散も仕事になっていました。
つまり、趣味や余暇を楽しむことが、根本的な解決策にはなりませんでした。
燃え尽き症候群を個人で防ごうとするなら、環境を変えることが早道だと思います。
つまりは、退職及び転職です。
燃え尽き症候群で退職:前兆の段階で環境をかえる
個人で燃え尽き症候群を防ぐことは難しいです。
誰もが自ら「燃え尽き症候群になろう!」と思って仕事をしているわけではありません。
燃え尽き症候群を防ぐには、「組織の力」が必要です。
特に介護職や福祉職では、そのような状態になりやすいケースが多いです。
そのため精神的な負担を軽くしようと、労務環境の整理をしている職場や、ワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組んでいる職場は多くあります。
そのような職場であれば、負担感をあまり感じずに「やりがい」を持って仕事ができるでしょう。
燃え尽き症候群になりやすい方は、不可避的に業務量を抱えがちです。
これによりキャパシティをオーバーしてしまうことがあります。
職場が業務量をコントロールすることが不可欠です。
コントロールがなされないままの状況が続くと、燃え尽き症候群になりやすい人が業務を抱え込んでしまいます。
また、自分の業務を上手くコントロールできる人が少ない場合、負担の不平等が生じます。
そのため、できれば「職員一人ひとりの業務量をマネジメントする」上司や組織のあり方が求められるでしょう。
業務量のコントロールだけでなく、業務効率化やルーチンワークへの変更も含まれます。
燃え尽き症候群で退職:経験談
燃え尽き症候群の方は、「他人に仕事を任せる」ことが苦手な傾向があります。
私の場合は、「頼みづらい」よりも「自分でやった方が早い」と感じることがありますが、上司に差配をしてもらった方が、組織的には業務の全体像が把握しやすいでしょう。
燃え尽き症候群になる人は、その能力以前よりも「無理をする」ことが多いわけです。
その無理をすることに対して、見返りが何かしらあればいいのですが、モチベーションを維持することがかなり難しくなってきます。
例えば、一生懸命頑張って組織を良くしようと思っても、周りの協力が得られなかったら、必然的に自分もやる気を失っていきます。
ですので、自分がやってきたことが無意味に感じることが多くあります。
結果、それは環境が合わないということになってしまいますので、現実を言えば、燃え尽きる前に退職して環境を変えた方が絶対にいいわけです。
私自身はそこで無理をして働いていたため、結果的に文句を言われながら働いても何も変わらなかったということで、社会復帰をするまでに時間がかかるという結果になりました。
結果的に、過酷な職場で働いたことがノウハウとして生かされてはいますが、もっと早く行動していれば、社会復帰が困難になるまではならなかったのです。
燃え尽き症候群で退職:バーンアウトは職場の責任
職場は業務量を、個人に任せるのではなく、個人に采配するようなシステムやルールを整えるべきです。
仕事の負担が不平等になってはいけない介護や福祉の人間関係は、「あまり良くないイメージ」があると思いますが、「業務量も偏りがある」ことがあります。
体力のいる仕事は常に、若くて体力もある職員に集中させたり、事務処理が得意な職員に事務系の仕事を任せたりと、それが「適材適所」の考えであれば問題ありませんが、職場内組織のパワーバランスによるところがあります。
きめ細かく、職員に対しての業務量の調整をしていたら、必然的に職員とのコミュニケーションも多くなってくると思います。
その中で「様子がいつもよりおかしい」などを上司が感じれば、その都度フォローしてあげることが理想的な職場環境になってくると思います。
職員の状態にいち早く気づけない職場が、利用者の様子に気づけるわけありません。
基本的に、「職場環境が乱れる」多くの事業者の原因は、「ルールがないこと」が多いような気もします。
ルールはあっても、それを守らせようとする上司の存在がないことが多いです。
まとめ:【経験談】燃え尽き症候群で退職:介護職・福祉職はなりやすい。
燃え尽き症候群になるのは、個人の問題ではないと思います。
個人の責任だけにするのではなく、組織的な問題で対応するべきだと考えます。
介護や福祉の業界は、一般職員の人材だけではなく、管理職も燃え尽き症候群になりやすい傾向がありまが、実際にはかなりの差が職場では出ています。
この現象が、福祉業界・介護業界がチームワークが必要な職種であるにもかかわらず、チームワークが不足していることを示しています。
精神論で働いていくことは、介護・福祉業界のみならず、どの仕事でも難しいです。モチベーションを上げる・維持するには精神論では通用しません。特に若い世代はそれでは伸びません。
人を大切にしてくれる職場を選ぶべきです。
\最後まで読んでくれてありがとう♪/
参考になれば幸いです。