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介護職・福祉職の給料:なぜ安い?安すぎる理由と差がでている実態

介護職・福祉職の給与は安すぎる?その理由は?実際はすでに大きな差が出始めています。

人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)

「介護職・福祉職の給料は本当に安いの?」

「給料を上げる方法を知りたい!」

このように考える方も多いと思います。

 

確かに「介護・福祉職の給料は安い!」と言われてきましたが、今現在は行政による待遇改善も進んでいる状況にあります。

しかし、介護・福祉職に関しては、まだまだ仕事に対しての報酬が見合っていないとの指摘もあります。


しかし、実際には、既に待遇の差がかなり明確になってきているように感じます。

もちろん、パワフルに働かなければいけない実態も存在するかもしれませんが、その結果、トップクラスの給料を支払っている事業所が増加しています。

 

これには、介護や福祉の給料が「安い理由」を解決する必要がありますが、安い給料でかつパワフルに働かなければいけないというブラックな状況は少しずつ減ってきている実感があります。

 

さらに、ホワイトな職場とブラックな職場の差が広がっているとも感じられます。


もし仕事がきつくて給料も安いという状況であれば、ブラックな職場で働いている可能性があります。


このような場合、転職することによって問題が解決する可能性が非常に高いです。

今回は「介護職・福祉職の給料」をテーマにお伝えします。

こんな方にオススメ♪

・介護職や福祉職に興味がある方へ

・介護職や福祉職の給料の実態を知りたい方へ

 

結論
待遇が低い、給料が安いと言われる理由が分かれば、それを克服している職場が高い傾向があります。

\ あなたにとって理想の職場/

介護職・福祉職の給料は安い?:給与の実態

介護職・福祉職の給与については、厚生労働省が調査したものがあります。

それによると、残念ながらやはり「仕事の割には、介護職・福祉職は給料が安い」と言えます。

 

厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、

介護職員の平均給与は31万5,850円

出典:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

上記のようになっています。

全産業の平均給与額と比べると、介護職員の平均給与額は7万円弱少ない

(出典:令和元年賃金構造基本統計調査)

上記の調査からデータとしても介護・福祉業界の給与水準は低いと言えます。

 

介護職・福祉職の給料:なぜ安い?安すぎる理由

介護職・福祉職の給与や待遇が低くなる傾向には主に2つのポイントがあると考えられます。

介護職・福祉職の給料が安い理由:収入に上限が存在する

介護職・福祉職の給与が低い根本的な原因は、サービス事業所の収入に上限があるからです。

 

言い換えれば、介護・福祉サービス事業所の場合、40人の定員であれば、40人以上の利用者をかかえることは原則できません。
その結果、原則として40人以上の報酬を得ることができません。つまり、上限が存在しているわけです。

 

この収入の上限は、社会保障費という「公費」が事業所の主な収入源であるために発生します。

 

収入に上限があることは、安定した収入が期待できる一方で、その裏返しとして考えることもできます。

 

この安定性はメリットとして捉えられますが、利用者が減少すると収入も減少することもあります。
40人の定員であればサービスによる収入の上限が存在することになります。

 

実際に40人の利用者が入所していても、その利用者に対するサービス提供には増加する人件費が伴います。


このことが、給与が安い理由の第2の理由につながっていきます。

第1の理由が「収入上限」の存在ですね

介護職・福祉職の給料が安い理由:人件費を抑え込みやすいシステムがある

収入に上限があることで、経営的には見通しがつきやすい一方で、支出を抑えない限り、収入と支出の差額が生まれにくいという事実があります。

 

通常の企業では実績を上げることで収入が増加することがありますが、介護・福祉業界ではそれが難しい傾向があります。

 

また、介護・福祉事業所において主な支出項目は人件費です。
つまり、人件費を抑える方向に進むことが、経営を安定させる手段として選ばれがちです。


施設や事業所で福祉サービスを提供する際は、職員配置基準と呼ばれる利用者に対する適切な職員配置の規定が存在します。

 

これに違反しないようにするためには、最低限の人数で運営する必要があります。
そのような工夫で、差額を出そうと経営的にはなります

しかし、利用者が減少した場合、収入が減少し、さらに人件費を抑えなければならなくなります。


また最低限の人数で運営すると、法律で定められた事務業務などが滞る可能性があります。

これをカバーするためには長時間労働が必要となり、ブラックな職場ではサービス残業としてカバーされることがあります。

 

結果として、昇給を実現することや待遇の向上を図ることが難しくなってきます。

第2の理由が人件費を減らすことで差額を生む傾向にあることですね

介護職・福祉職の給料:なぜ安い?安すぎる理由と差がでている実態

介護職や福祉職の給与差が拡大しているのは、主に職場の方針によるものです。

 

先述の2つの理由は社会保障制度によって決まっているため変わりようがありませんが、なぜ差が広がっているのかというと、主にこの2つのデメリットを克服しているからです。

介護職・福祉職の給料に差がでている実態:安定経営から脱却

介護福祉業界のサービスを提供する事業所は一般的に「財務的には安定している」と言えます。


これは、福祉的なニーズが多く存在し、顧客が不足することがないという状況が根底にあります。

 

しかし、実際の状況では、社会保障費の抑制や健康志向の広がりから、介護や福祉サービスへの需要が減少しています。
また、事業所の数が増加し、競争が激化しているうえに、人手不足も深刻な課題となっています。

 

これにより、これまでの経営手段では難しい状況が浮き彫りになっています。

 

そこで、介護福祉業界は新たな試みに挑戦し始めています。
一部の職場では、収入の上限を拡大することで、給与の向上や昇給が実現できる状況が生まれています。

 

簡単に言えば、人件費はそれほど変わらずに、収入の上限が拡大することで、一人ひとりに給与還元が可能になります。
同時に、貢献をしてくれる人材には昇給の検討もしっかりと行える仕組みです。

介護職・福祉職の給料に差がでている実態:無駄な業務を削る

正社員が行う無駄な業務は、特にシビアに削減している職場もあります。

 

介護福祉業界では、非正規の職員が多く、非正規の職員が主にルーティン業務を担当することで、正社員は専門的な業務に集中できるようになります。

これにより、効果的な役割分担が可能になり、働きやすい環境が整います。


成功している職場では、このようなシステムを築くことで、正社員と非正規の職員が連携し、人手を効率的に活用することができています。
その結果、人件費の抑制が実現され、収益の向上に成功しているのです。

介護職・福祉職の給料に差がでている実態:時間効率をスキルによりあげる

職員一人一人が自身のスキルを伸ばすことは、事業の収益向上にも寄与します。


通常は介護職では主に介護スキルの向上が重視され、福祉職では面談や相談援助に対するスキルアップが求められます。

これらのスキル向上はサービスの質を向上させる一方で、経営的には矛盾が生じることがあります。

 

例えば、相談援助のスキル向上には丁寧に時間をかける必要があり、これが時間をかけるほど経営的に損失となる可能性があります。
同じ報酬であれば回転率の向上が必要です。

 

そのため、業務効率を最優先にする職場も存在します。
時間をかけずに解決できる問題には手早く対応し、業務効率を重視します。

 

これにより時間効率を向上させ、収益を伸ばすことが可能です。
ただし、時間効率を過度に優先するとサービスの質が低下する可能性があります。

多くの職場は時間効率の向上がサービスの質低下を招くことを懸念し、調整が難しいとされています。

 

しかし、サービスの質を低下させずに時間効率を向上させつつも、教育を通じてスキル向上を図ることで、職員のスキルが向上し、事業の収入が増加する可能性があります。
その結果、職員への還元が可能となります。

介護・福祉職の将来性

介護・福祉業界の将来性は、「間違いなく高い」と言えます。

理由としては、「行政主導による待遇改善が一定の効果を上げている」こともありますが、 労務環境も改善し、働きやすいと感じる職場も多くなっている実態があるからです。

介護・福祉業界は、その地域の相場の給料があることが多いため、「飛びぬけて高い給与を出す」ところは、逆に疑うべきところも多いのですが、待遇も労務環境も改善している職場が増えてきています。

 

介護・福祉業界は「ブラックな職場になりやすい」とも言えますので、ホワイトな職場で働くことは、待遇以外にも「やりがいを持って、長く勤める」ことが可能です。

また、「長く勤めることによって、その技術・能力を評価できるようにするキャリアパス制度の導入」も行政主導で進められています。

 

キャリアパス制度は、すべての介護・福祉サービス事業所が共通の評価制度を使用するわけではありませんが、その職場が「法人規模や事業形態、方向性、求める人物像に応じた形」で独自で作成します。

職員の適正を評価したうえで、給与面や労働環境面を処遇するというものです。

つまり、「長く勤めてキャリアを上げていくことで、待遇面を改善していくことが可能になる」といえます。

まとめ:介護職・福祉職の給料:なぜ安い?安すぎる理由と差がでている実態

介護や福祉の仕事が給料が低いと言われている実態は確かに存在しますが、経営的な努力により待遇改善を実現している職場が増えています。

 

これにより、働く人々の待遇が向上し、人手不足の業界でもしっかりとした人材確保が可能となり、結果として事業が安定する状態も見受けられます。

 

ただし、このような職場の求人情報はあまり出回っていません。

実際には存在するものの、外部に向けて積極的にアピールされていないことが一般的です。

一方で、しっかりとした評価を受ける人材に対しては昇給や待遇の向上を続けるスタイルの職場も存在します。

 

現在、介護福祉業界ではホワイトな職場とブラックな職場の差が顕著になってきているように思います。

給料が低いと感じる悩みを克服するためには、自分が理想とする職場をしっかりと選ぶことが重要です。

\最後まで読んでくれてありがとう♪/

 

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