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内定辞退の4つのプロセス:複数の内定辞退はあり?理由はどうする?

複数の内定もらった!内定辞退は理由を添えて14日以内にしましょう!

人事担当者として1000人以上の介護・福祉職の方々とお話してきました。(プロフィールはこちら>>)

働く職場は、介護・福祉業界ではたくさんあります。

たくさんあるからこそ、働く側は「どこで働こうか?」と真剣に悩むものです。

「内定を断る」行為に関しては、失礼にあたると考え方もあります。

「内定」の意味は、正式に採用する前に「内々」で決めておくことを指します。

 

そのため内部で決めたことを、勝手に求職者側が反故にすることを失礼と考える企業もありました。

しかしながら、今は全く違います。


私が長年人事担当者をしてきたことから、あまり内定辞退を「良いですよ」とお勧めすることは気が引けますが、「全然OK」です。

「内定辞退はあるもの」として雇用側も考えています。

今回は、複数の内定をもらった場合の「内定辞退」をテーマにお伝えします。

こんな方にオススメ♪

・複数採用試験を考えている方へ

・実際に複数内定をもらった方へ

 

結論

・内定辞退は全然OKですが、後悔がないようにしましょう。

\ あなたにとって理想の職場/

介護・福祉の仕事:内定辞退が「あり」な理由

先述したように、基本的に雇用する側も、内定辞退はあるものとして考えています。

内定辞退は
民法627条1項に定める労働契約の解約権の行使に該当します。

原則14日以上前に告知すれば、理由を問わず内定者の自由に解約することが可能となります。

雇用側は、内定辞退の拒否をすることができない代わりに説得はできます。

 

ですので、内定については14日以内であれば、法的な拘束力はないとの解釈でよろしいかと思います。

内定辞退を特別気にしなくてもいいと思います。

特に新卒の方などは、内定を辞退するとその学校を卒業する後輩に迷惑がかかるのではないかと心配されることがありますが、確かに昔はそういった時代もあったと聞いております。

しかし、現在ではそれはありえません。
個人と後輩にあたる人たちは全く別であり、全く後輩に迷惑はかかりません。

人手不足なところほど、必死に説得し内定辞退を止めようとすることもあるかもしれませんが、礼儀・マナーがある対応をしていけばよいです。

 

求職者にとっては、複数の職場から、本当に勤めたい職場を決めることは、リスクマネジメント的にも有効な手法です。

ですので、同時期に複数の採用試験を受けても全然構いません。

 

特別、急ぐ必要のない就職・転職活動であれば、じっくりと選び一つ一つの採用試験を終えて合否が判明した上で考えることをしても良いです。

 

逆に生活のため急ぐ必要がある方については、複数の職場に応募して、その結果から最終的に選べば良いのです。

 

ただし、内定辞退を「する」か「しない」かについては、ポイントがあります。

複数の採用試験を受けることは全然問題ありませんし、内定辞退も悪いことではありません。

ただし、私の経験から言えることは、内定辞退をする人は、世間的に最も評価される職場を逃してしまうことが多いように思います。

複数の内定のうち、最も条件が良いものを選ぶことが理想的な結果となりますが、実際にはそうならないことがよくあります。
ですので、しっかりとポイントを押さえて選択することが重要です。

複数の内定をもらった時に。押さえるべきポイントを押さえ。その上で決断していきましょう。

内定辞退をするためのポイント:まえがき

第一志望・第二志望として、「順位をつけ」て採用試験を受ける方がいますが、もし「働く基準」や「大切にしている価値観」が明確に決まっているのであれば、それでも問題ありません。

 

自分が希望する条件が最も整った企業であれば、内定辞退の効果は非常に高まります。


ただし、求人票やホームページ、職場見学、採用試験など、各情報から得た印象だけでは「わからない」こともたくさんあります。

「第一志望であったけれど、採用面接官の印象があまり良くなかった」という場合、内定後に「本当にこの第一志望の職場に勤めて良いのか?」と考えることが生じます。


これは実際によくあることです。

ですので、一番危険な決断の仕方は「感情」だけで判断することです。

「この採用面接官の説明が上手だから…」

「働く場所がキレイだから…」

このような感情だけで内定辞退を判断することは避けるべきです。

採用面接官が大げさにアピールしていて、雇用契約を結んで働き始めてみると、実際の状況が異なることに気づいてももう手遅れです。

働く場所がキレイでも、人間関係が汚ければ意味がありません。


内定を受ける場合、本当に良い職場であれば、内定をすんなり受け入れることが一般的です。
その理由は、人材が比較的すぐに入れ替わる可能性があるからです。

確かに、人手不足の業界ではありますが、全ての職場に当てはまるわけではありません。
特に人気のある事業所は、内定がでても比較的迅速に次の応募者が現れることがよくあります。
そのため、そういった事業所では、内定辞退が起きても後々問題にならないと考えられる場合があります。

内定辞退のポイント:判断するプロセス

安易に結論を考えてはいけません。

複数の内定をもらえたことは素晴らしいことです。

しかし、転職・就職に成功するためには、「複数の中から判断して決断すること」が大事なのです。

判断するために必要なのはデータがあるといいでしょう。

1.内定辞退のプロセス:どこが自分の将来にとって良いのか?

社会人人生は長く続いていきます。

20歳の方なら、単純に今では後50年くらいは働くことになるでしょう。

その中で、50年間も同じ場所で勤めるということは、非常に稀です。


基本的に企業の寿命は30年続けば、長寿命です。
つまり30年以内で倒産する職場は実に多いのです。

そのため、人生の中で1度や2度は転職活動をすると思っていてよいでしょう。

 

「自分が納得いく職場でなかったら、また転職・就職活動すればいい」という考え方になるかもしれませんが、基本的に長くその職場でキャリアを積んだ方が、自分自身の将来には有利になることが多いです。

ですので、基本的には「自分の将来にとって良いのか?=長く勤められることができる職場か?」という考え方がよろしいです。

「長く勤めることができるか?」そのことに関しては、その職場の「福利厚生制度の充実度や休日休暇・職員の健康に関連した取り組みに積極的か」など、実は給与だけではなくそのようなことも基準にした方が良いのです。

 

人生の中で、子育てや介護が必要になったとき、休ませてくれる職員のワーク・ライフ・バランスに優しい職場であるのか?


そのようにアピールしている職場も、実際は実績がなかったり、人事評価・査定に連動させていたり全く意味をなしていない職場もあります。

内定辞退を考える際、自分のやりたいことや目的だけでなく、働きやすさも考慮することが重要です。

単純にやりたいことに焦点を当てるだけでなく、多角的に判断することが良いでしょう。

自分が「やりたい仕事ができる」と感じる職場でも、実際に働いてみると意外にブラックな環境だったりすることがあります。
つまり、内定辞退を決断することで失敗する可能性もあるのです。

2.内定辞退のプロセス:内定辞退したい理由を考える

採用面接の最中で仕入れた情報や、職場見学など色々な場面で、情報を仕入れたと思います。

その情報の中で、自分がよくわからなかった「不確実な情報」もあると思います。

それが払拭できていればいいですが、懸念点があるかを考えなければいけません。

例えば介護・福祉業界で多いのは「教育体制が整備されてない」事業所もあります。


そういった事業所は「職員への教育が行き届いていないことが多い」です。

つまりは「虐待防止が未熟」であったり「法的な基準を守っていない可能性」もあるのです。

そうなると、長く勤めることは難しくなります。

職場によっては、役職者などキャリアに関しては実質「年功序列体制」になっていることも多く、キャリア構築を積極的に取り入れているとアピールをその事業所はしたとしても、既に「役職が詰まっている」状況もあるのです。

内定辞退を検討する際、一番避けたいのは解決可能な問題を理由にすることです。

例えば、自動車運転免許を持っていないため歩いて行ける職場が好ましいと考えたとします。

そのため、採用試験で内定を受けた中で一番近い職場を選んだとします。

しかし、将来的に自動車免許を取得すればその職場で勤める意味が減ってくる可能性があります。

そのため、解決できる問題に基づいて内定辞退を決断することは避けるべきです。

他にも、年間休日が多い職場を選びたいと考えたとしても、年間休日は曖昧な基準となります。

130日の年間休日と98日の年間休日を比較すると、130日の方が良い職場に見えるかもしれませんが、実際には1日の労働時間に差があります。
基本的には週40時間の労働が法律で規定されているため、年間休日で調整をする必要があるのです。

(上記に関連した記事はこちら>>)

特定の場所でしか得られない、もしくはその場所にしかない価値を見つけることが、選択を明確にする方法です。
つまりは解決できない理由を見つけて、内定辞退を判断しましょう。

勤めたい職場を先に選ぶことも非常に有効かもしれません。

例えば、一番職員が笑顔であったり、経営者と直接話す機会があったりする職場を具体的に探してみると良いでしょう。

このような特徴的な職場はその場所にしか存在しないことが多いため、その職場に勤めるというのは明確な理由となり得ます。

 

理由を考えたら、それに根拠をつくりましょう。

3.内定辞退のプロセス:内定辞退の理由の根拠をつくるために比較する表をつくろう

わかっていることは点数化して比べてみましょう。

例として下記のようなものがよろしいかと思います。

(例)比較表

自身の「感覚・インスピレーション」でいいです。

項目も自分の「大事にしている基準」を考えましょう。

視覚化することに意味があります。

自分が納得のいくためのデータを考えていきましょう。

4.内定辞退のプロセス:内定辞退の決断をしよう

決断で大事なことは、感情で決めないことです。

感情で決めると必ず失敗します。

 

その時は良さそうに見えても、実際に勤めてみると全く印象が違かったということもあります。

後悔するような決断であってはいけません。

理由を考え、比較表から根拠をつくり明確化したら、後は決断するだけです。

先述しましたが、内定を断ることは全くOKです。

内定を承諾した後に、雇用契約を結ぶと思います。

そうなったらもう後には戻れません。

内定を断ることが「働く」「働かない」を決める最後のチャンスということになります。

内定辞退の方法:断る方法はできれば「電話」でしよう!

メールで伝える方もいらっしゃいますが、基本的には電話で行った方がよろしいかと思います。

人事担当の方や窓口の方で構わないと思います。

メールで基本的に行ってもよろしいのですが、「後腐れなく内定を断りたい」のであればやはり人間味がわかる電話の方がベストです。

 

この度は内定をいただき誠にありがとうございました。

真剣に考えさせて頂いた結果、御法人のご提案とは別の選択をすることにいたしました。

このような形になりましたが、ご理解の程宜しくお願い致します。

ありがとうございました。

このようにお伝えするとよろしいかと思います。

その後、また別の提案があって「このように考え直してもらえないか?」という話があった時に断るのであれば、内定辞退の証明として残すためにメールがよろしいかと思います。

「一度断ったけども別の提案をされた」ことに辞退するときは「メール」。


最初の内定辞退に関しては「電話」で行うことがよろしいかと思います。

まとめ:内定辞退の4つのプロセス:複数の内定辞退はあり?理由はどうする?

内定を複数もらえることは悪いことではありません。

むしろ人生にとっては、リスクマネジメントとしても考えられて良いことだと思います。

「相手に失礼になる」からといって、一社ずつしか採用試験を受けないという考え方は時間も体力も浪費すると思います。

ですので、複数を受けることは有効な手段です。

大切なのは迷ったときの比較の仕方と決断の仕方です。

真剣に悩んで「介護・福祉の仕事が楽しい!」と感じられる職場を選びましょう。

\最後まで読んでくれてありがとう♪/

参考になれば幸いです。